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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
七天龍、緑剛龍ノ章
27/71

旋律

何とか一日で二話投稿できました!


がんばりました、私!


でも、下手くそなのは変わりないかもしれません(´д`|||)


明日も投稿しようかと考えていますが出来なかったらごめんなさいm(__)m

ルスウェム村ある家の一室、ベットに寝ている少女ミルがすやすやと眠っている。

そしてその近くにいるのは三味線を持ち、着物を着た女性、サツキとミルの両親がいた。


「…大分落ち着いてきましたね。もう大丈夫ですよ」


「娘を助けていただき、ありがとうございます!」

「本当にありがとうございます!」


ミルの両親は深々と頭を下げる。

よほど娘が無事だった事が嬉しかったか啜り泣く声も聴こえる。


「いえ、私は自分が出来ることをしただけですよ。御礼なら…今はいませんがミルちゃんを救ったあの子達に言ってください。」


そういうとサツキは家を後にし、鍛冶屋へと足を運んだ。



鍛冶屋の横には地駆馬(グランドホース)を引いた荷馬車が止まっている。


地駆馬(グランドホース)はモンスターランクDで体力と耐久が高いモンスターだ。性格は温厚で人懐っこく使命感が強いのだ。日常生活では荷馬車を引くのに生き甲斐を感じている者が多いらしい。


「帰ってきたのでしょうか?」


サツキは目が見えないが視力以外は人外的な感覚を持ち、何があるかどうとかは簡単にわかってしまうのだ。


鍛冶屋の扉を開けると岩族の男性が椅子に座っていた。


「おぉ!サツキじゃねえか!久しぶりだなぁ」

「お久しぶりです。ドゥムさん、相変わらずお元気そうで何よりです」


「あの…お二人は知り合いですか?」


獣族の男性は戸惑う様に二人に問う。


「おぉ、そうか!お前さんが弟子入りする前からの知り合いだ!……30年位の仲だな!」


「もう30年も経ったんですか…私も歳をとったものです」


「グハハハ!何言ってんだ、昔と全然変わってねぇじゃねえか」

「そうですか?ドゥムさんは…髭短く成りました?」


お互いに懐かしい友人と話している光景に獣族の男性は悩ませている。

何せサツキはどう見ても20歳位しか見えないのだから。


「それにしてもすまねぇな、弟子の頼みを聞いてくれてよ」

「お気になさらずに。御礼なら一緒にいた子達に言ってください」

「そうか、その子達は?」

「今はもう一人の行方不明の冒険者を探しているでしょう。多分もう見つかってると思いますが…もう少ししたら私も向かおうと思っています」

「そうか、お前さんが行くなら心配ないな…。サツキ、お墓参りは済ませたのか?」


少し寂しそうにドゥムはサツキを見る。


「いえ、まだですよ。あの子達を迎えに行った後に行きますよ。」


すると裏の扉から一人の男性が入ってくる。


「ゴーンさんですか?」


サツキの声にその男性が振り向く。


その男性は体格は大きく筋肉質だと服の上からでもわかる。そして彼は獣族だ。


より詳しく言うと猪獣族(オーク)だ。


外見の殆どが人族と変わり無いが婆娑羅の様な髪に鼻と耳がウリボーの様に可愛らしい。

そして、イケメンだ。

ちなみに今はいないがドゥムとゴーンには妻がいる。

現在は料理の用意をしているのだ。


ドゥムは魔族(デーモン)の妻、ゴーンは森族(エルフ)の妻だ。二人とも愛妻家で子供はいるのだが今は学園都市の一つランバラマに寮生活をしている。


「サツキさんか、久しいな。」


ゴーンは特に驚いた様子もなく、担いでいた荷物を降ろす。

その荷物には溢れんばかりの鉱物とモンスターの素材が見える。


「その荷物どうしたんですか?」

「あぁ、俺とゴーンでガンバウラ山の発掘に行っていてな。色んな鉱物が採れたんだ」

「帰る道中に岩炎竜(ローグスト)に遭遇して…勝った」


二人は疲れた様に言うが怪我をした様子はない。


岩炎竜(ローグスト)はSランクモンスターだ。

鱗は岩の様で硬く、体長は小さくても5メートルはある。

普段は火山地帯や山に棲息している。

岩炎竜は鉱物を好んで食しており、身体には鉱物を含んでいる。その為、稀に寝ている岩炎竜を冒険者達は鉱物を含んでいる大岩だと勘違いし身体を傷付け怒らすことが多いのだ。


「流石は元SSランクの「天槌」に「不動」の異名を持つ冒険者ですね」


その言葉にドゥムは自慢気にしとゴーン苦笑いしていた。


天槌(ドゥム)」は過去にモンスターの大軍に対して一人で大きな槌を一振りで壊滅させた冒険者だ。


不動(ゴーン)」は町を襲ったSSランクのモンスターとさしで戦い一度も引かずに激戦の末、勝利した冒険者だ。

その時戦いはSSランクの打撃を受けてもびくともせずに捩じ伏せた事から付けられた異名だ。


「ま、俺よりゴーンの方が人気だったよな。近くのギルドに立ち寄ったら女連中らが言い寄られてよ。…でもそれに嫉妬したお前の奥さんに殺気を向けられて逃げていたがな!」


実際にゴーンの容姿は種族を問わずイケメンだろう。だが妻である森族によく拗ねてしまうことがあるのだが直ぐに仲直りしてしまう。近所からはゴーン夫婦に憧れを抱いている者が多いらしい。


「あの時は怖かった…」

「うふふ、それほど愛されているんですよ。…さて、私はあの子達を探しに行きますので失礼しますね?」


サツキはそう言うと鍛冶屋から退出する。


「サツキさんは何処に行ったんだ?」


荷物を移動させるゴーンはドゥムに尋ねると先程話していた事を説明する。


「…俺等が外出中にそんなことがあったとは」

「まあ、あの「旋律」の異名を持っているサツキなら何とかなるだろうな」


ゴーンはあることを思い出す。


「…なぁ、今思い出したが、一人で大丈夫か?」

「…あ、」


沈黙が生まれてしまう。

サツキは方向音痴だ。


毎年墓参りをしているが一人では辿り着けないた為、ドゥムとゴーンの嫁と一緒に連れていっているのだ。

二人の妻も元S、SSランクなので問題はない。


だが今は食事の用意をしている。


ドゥムは作業をしていた弟子に声をかける。


「すまねぇが今からゴーンと一緒に外に出るから店番頼むぞ!」


ドゥムとゴーンは焦りながらサツキの後を向かっていった。



サツキは現在、森の中で絶賛迷子になっていることは言うまでもない…。


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