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Chapter of Begine  作者: Tkayuki 冬至
七天龍、緑剛龍ノ章
22/71

鈍感なハク

ハク達が話し合った結果、聖獣達が感じ取ったとされる場所へと向かうこととなった。その向かう道中にハク達はサツキの事を話していた。


「サツキという女性はそれほどの実力者なのか?」


そう質問したのはクレハだ。クレハはサツキの事は知らないためだ。もし知っていたらこの様な質問はしないだろう。


「ありゃ、次元が違うな。ここにいる全員が一斉に仕掛けても勝てる気がしねぇ」

「全力を出したところで足元も及ばないだろうな」


ハクとマグナはサツキには敵わないと思っている。


「僕達を一瞬で見破られたからねー」

「何度もやってもバレるねー」


ヴァリアスとスィエラは隠れてた事にバレて落ち込んでいた。なのでマグナの腕の中で慰めてもらっている。 もちろんその姿にクレハは悶絶していたのだが…。


「そういえばマグナの武器って何なの?」

「武器らしい武器は持っていませんね」


ディオンとアイズはハクとソフィアの肩に乗りながらマグナに質問する。確かに武器らしい物を持ってはいないようにみえる。


ハクは片手剣、 ソフィアは薙刀、 ミルは杖を持ちクレハは槍と盾だ。

ではマグナは何か。


「俺は…これだ!」


マグナは懐から二つのメリケンサックを取り出した。しかもそれはミスリル製だ。


ミスリルというのは魔力を通しにくいが強度の固さを持っている。日緋色金(ヒヒイロカネ)やオリハルコン等よりは劣るがアダマンタイトより硬い。この世界で有名で硬い鉱物と言えば日緋色金、オリハルコン、ミスリル、アダマンタイト、閃亜鉛鉱(スファレライト)、ダマスカス鋼、玉鋼だ。


日緋色金(ヒヒイロカネ)は業火の炎に揺らめいて紅く輝き、純粋な物は無く何かしらの鉱物が混ざっている。純粋にしてしまうと非常に柔らかいと言われているが魔力を通せば通常の日緋色金より固くなるらしい。形はどうであれ鉱物の中で最も貴重であるのではあるが加工するにも純粋にするにも高度な技術と材料が必要で鍛冶が得意な岩族でも本当の実力者でなければならないという。


オリハルコンは日緋色金の次に貴重であり鉱山の中であっても少量しか取れないとされている。色は様々であるが一般的なイメージは黄金色と言われている。魔力を通すとその流れが光るとされていて、光の色は魔力を流す人によって違うらしい。非常に固く合金する鉱物によってはさらに固くなると言われている。


アダマンタイトは日緋色金の次に耐久性があり大型の武器を主に加工されている。防具としても性能が高い。重戦士であれば武具はアダマンタイトである事が殆どだ。だがわかるように非常に重くそれなりの実力がないと使いこなせることは出来ない。冒険者の中ではアダマンタイト製の武器を使いこなせるようになれば一流と言われている。


閃亜鉛鉱(スファレライト)は鉱物の中で宝石の様に綺麗で主にアクセサリー等の装飾品として扱われている。魔力を込めると光り輝き、懐中電灯としても活用さおり女性にとっても人気がある。火山地帯にあるとされ噴火岩や熔岩の付近にあるらしい。結婚指輪はこの閃亜鉛鉱が使用されるのが一般的だ。


ダマスカス鋼は神秘的な紋様があり加工すると一時的には消えるが加工を終えると再び浮かび上がっている。その紋様は加工する際に魔力を込めれば込めるほど複雑になり同時に価値も上がってしまう。主に包丁等の調理器具や彫刻等の道具に加工されている。神話では戦女神のアテナが愛したとされる鉱物がダマスカス鋼だったという言い伝えがあるらしい。ちなみにマグナがアタッシュケースにある包丁はダマスカス鋼製だ。


玉鋼は一般的に武具として使用されている。魔力を通しやすいが過度な魔力を流すと壊れてしまう。だが再加工しやすいこともあり本命の武器と玉鋼の武器両方を持っている冒険者も多い。


「ソフィアの薙刀とかクレハの槍、ミルの杖も格好いいよな」

「あれ、俺の片手剣は?」

「…なんていうか、薙刀、槍、杖…からのその片手剣は…ショボいよな」

「うっ…確かに黒いナイフみたいで普通の片手剣より小さいけどさ…」


確かにハクの片手剣は黒くナイフより大きい。しかも黄色い紋様がある。その片手剣はオリハルコンとダマスカス鋼の合金でその比率は2と3だ。紋様は銀色で複雑な紋様となっている。


「悪かったって!ハクの片手剣は小さいけど形は格好いいぜ?」


不機嫌なハクをマグナが宥めていたがそれが何処か楽しそうにしている。それを面白くないと思っていたのはソフィアだった。


(何であんなに仲良しなんですか?昨日会ったばかりなのに…。あの二人気が合いそうだし…マグナさん、いいなぁ…)


機嫌を直し楽しそうにマグナと話す様子をソフィアは拗ねる様に頬を膨らませていた。


「あの二人仲良しです!」

「…誰もハクが男だと言わなければ恋人同士と勘違いされるぞ?…っ、ソフィア!?」


一緒に歩いていたミルとクレハの話を聞いて泣きそうな表情で落ち込んでいた。


「ハクと…マグナさん…が、こっ恋人、同士…?そ、そんなぁ…」

「そ、ソフィア様!?気を確かに!」


心が折れそうになっているソフィアをアイズは慰めていた。

一方先に歩いていたハクとマグナはというと。


「どうしたんだ?」

「さあ?」


何が起こったか知るよしもない。








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