『アクマ』のユメ
むかぁし むかしの おはなしです
ふかい ふかい もりのおく
ひとがとおらぬ そのばしょに
ひとりのひとが すんでいた
もりのおくに すむひとは
ふしぎなちからを もっていて
ひとつうたえば みどりがめぶき
ふたつうたえば はながさく
いっぽあるけば みずがわきだし
さんぽあるけば いけとなる
ひとつなでれば きずはいやされ
よっつなでれば いしゃいらず
ふしぎなちからを もつひとは
いつしか『みこ』と そうよばれ
ひとはねがう 『みこ』さまに
ひとはすがる 『みこ』さまに
そうして『みこ』は おこらせた
せかいをつくった かみさまを
かみがつくった ことわりを
くずして こわして しずめたから
だから『みこ』は のろわれた
たいようのカケラを のまされて
おわらぬひびに のろわれた
つきのカケラを のまされて
そうして『みこ』は 『まじょ』とよばれ
いつしか『まじょ』は 『アクマ』とよばれ
うとまれ きらわれ さげすまされ
それでも『みこ』は いきている
ふかい ふかい もりのおく
だれもこない そのばしょで
ひっそり しずかに くらしてる
ずぅーっと ずっと むかしから
ひとりぽっちで いきている