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王子  作者: KMY
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第45話 第9節「もともと地上に道はない 人が歩いても道にならないのだ」3

「おじいちゃん、あそぼ!」

 まだ2歳の治は、和室にいるおじいさんに声をかける。

「ああ、ああ、」

おじいさんも笑顔で、こっちへこいの仕草をすると、治も喜んでおじいさんの方へかけよる。

「たかーい、たかーい・・・」

おじいさんは、治に高い高いをする。治もしばらく笑っているうちに、たんずの上に絵が写真のように飾られているのに気づいた。

「あのえの女の人、だあれ?」

治がおじいさんに尋ねると、おじいさんは言った。

「おばあさんだよ。」

「おばあさん、あえるの?」

「あえない。」

「しんだの。」

治が尋ねると、おじいさんは首を横に振る。

「死んでないよ。まだどこかで生きている・・・。」

「どこで?」

「さあな・・・。」

おじいさんはそう言い、宙を見る。

「でも、ここからは行けない、とおーいとおーいところにある。」

「とおーいとおーいところ?」

治が言うと、おじいさんはうなずいた。


「治様?」

 タナトスが、すっかり寝てしまった治を揺り起こす。

「おじいさん!」

治が起き上がり、びっくりして大きな声で言うと、タナトスも一瞬びぐっとなった。

「到着しました。」

「もう、着いたんだ・・・。」

 ここは匈奴の首都である。治は、隣に座っているタナトスに言った。

「では、打ち合わせとおりに。」

「は、はぁ・・・。」

タナトスは、これからする事よりも、モルデス45世に叱られないかの心配をしていた。木乃伊取りが木乃伊になるとはこのことか、と、微妙な事を考えていた。

「では、ここから寒くなりますよ。ここに衣服がありますから。」

治は馬車の奥から毛皮の衣服を二着取りだす。タナトスは驚いた。

「なぜ二人分・・・、」

「もう一着ありますよ。これは従者の分で、」

「だからなぜ二人分・・・、」

「もしも破れた時に必要だからです。」

「そんなに危険なのですか?」

「予想は出来ません。」

治はそれだけ言い、景色を眺める。冷たい風が馬車を通り過ぎる。


 一方、モルデス国本土では、モルデス45世の葬儀が行われていた。重臣たちは、モルデス46世となる喪主が決まらぬまま、葬儀を決行したのである。

 ハルスとヴィーナスも葬儀に出席していた。ハルスは涙を流しながら、ヴィーナスは微妙な気持ちを持ちながら、モルデス45世の遺影を眺めていた。

「なんでこんな時にオサムがいないのよ!」

ハルスは涙を流し、泣き声を上げた。ヴィーナスはさらに複雑な感覚を覚えた。


 すっかり三人そろって毛皮の衣服を着て、馬車は匈奴の首都セイトへ到着した。

 セイトは大都市であった。多くの人々でにぎわい、そして雪の白があちこちにあった。道の真ん中には雪は積もっていなく土がむき出しであったが、両側に雪がたくさん付いていた。

「わぁ・・・。」

治は、歩いて市場を見ながら声を上げた。タナトスはあきれながら前を見ていた。治はタナトスに言った。

「さて、これから俺の言う事に従ってほしいのです。」

治はそう言い、そして近くの酒場を見つけ、タナトスを手寄せする。


「本当にあんな思い切った事をするのですか?」

 タナトスは酒場の中で、酒を飲みながら、向かい側で水を飲んでいる治に尋ねる。治は黙ってうなずく。

「そうですか・・・。」

タナトスは、腹を決めたように唇をかんだ。治は続ける。

「匈奴同士で多くのグループが小競り合いを起こしそれを仲介しようとしている匈奴本国を逆手に利用し、全てのグループをばらばらにしてしまうのです。」

「それで、情報はどこから?」

「明日ここで和平の会議があるのは、匈奴中で専らの噂でしょう。伝い伝わってここまでやってきたのです。」

「はぁ・・・。で、でも、これだけでガタガタに崩れるとはどうも・・・。」

「蟻の穴から堤防崩れるという諺はご存知ですか?」

「・・・・・・。」

タナトスには正直確信はなかった。しかし治は、そのようなタナトスの表情を無視するかのように、タナトスの手を握る。

「酔ってはいけません・・・、事が終わるまでの酒は控えてください。」

「あ、ああ・・・。」

半信半疑のタナトスは、黙ってうなずく。


 ミライは、かの国を捨て、隣国ウィルダム国へ仕官していた。ミライの提案により、ウィルダム国はミライと王を総大将とした討伐軍を出し、多くの隣国を滅ぼした。数日の間で多くの国を滅ぼし、その動きはまさに電光石火であった。ミライはその功により、大将軍に封せられ、小勢力の群衆の鎮圧の最高責任者を任された。

 しかしそれにウィルダム国の家臣は猛反対した。いきなり滅亡した隣国の将軍がここに仕官してウィルダム国を極端に大きくし、いずれは領地を割いて反乱を起こすつもりではないか、と。しかしウィルダム国王は、ウィルダム国が大きくなることには変わりないと一蹴し、任命を強行した。

http://s2.whss.biz/~kmys/novel/index.html


にて、小説投稿のスケシュールを発表しています。

絶対見ないでくださいね。

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