第39話 第8節「それだから隠すのだ。次いて恋、フィロストラトス以外」3
モルデス国の北方に、多くの小勢力の群集があった。その群集は大陸の半分程度を占めており、この群集が全て組めば大陸の統一国は決まったも当然と言われていた。しかしどうしたことかこの群集の仲は悪かった。毎度毎度戦争を繰り返し、そのたびに弱体化の一途をたどっていた。
大陸の勢力圏は、モルデス国が南方を統一した事により、モルデス国、小勢力の群集、そして北方の匈奴の3つに分かれていた。この大陸の南方にもまだ大陸があり、広い海を隔てて西にも東にも大陸はあるのだが、モルデス国を始め三大勢力圏の人々は、他にも大陸があること自体を知らず、モルデス国などがもくろんでいる世界征服と言うのは、この大陸を統一する事であった。
しかしモルデス国という名の大国の王女が、零細な勢力に盗まれたという事は、モルデス国に非常に打撃を与える結果となった。
「これまで遠征に参加させてきた兵士たちは、ここで休ませるべきです。」
治は、荒れ果てたハルスの部屋で、遠征を再開すると宣言したモルデス45世に進言した。
「ならば誰に遠征させよと?」
モルデス45世がそう言うと、治はしばらく考えてから言った。
「占領地から募兵するのです。遠征兵と交代するという名目で。」
「しかし民は疲れているのでは?」
「これを暫定的な募兵と定義し、イファガラ国を倒してから解散します。」
「なるほど・・・、で、何人くらい必要かね?」
「はい?」
治がモルデス45世に尋ねると、モルデス45世は一区切りつけて言った。
「イファガラ国の討伐は、お前が主役だよ、オサム。」
「は・・・はい?」
「分かったからには、言われたとおりやりなさい。」
「はい。」
「それから、お前の手先が必要だな、そうだ・・・、タナトスを預けよう。」
「は、はい。」
治は躊躇を顔に隠さなかったが、それでも王の命とあらば、と、一礼してその部屋から出て行った。治の姿が見えなくなるころ、モルデス45世はつぶやいた。
「レイジオサム・・・、その名を聞いた時はびっくりしたか・・・、まさかイファガラ国の貴族があの世界に落ち延びていたとはな・・・。」
その3日後の朝、零時治は、馬に乗り、募兵した兵士たち約5万を引き連れ、副将のタナトスには別に2万の兵を預けさせ、累計7万の兵を連れて城を後にした。
わすか1万しかいないイファガラ国の宮内は、騒然となった。
朝廷。イファガラ国王の前で、たくさんの重臣たちが、戦うか降伏か、二つに一つでもめていた。
「ええい、静まれ!」
イファガラ国王は、いきなり怒鳴って玉座から立ち上がった。重臣たちは驚いて国王の方を見た。
「慎重に議論しなければいけないという気持ちは分かるが、最後まで希望を捨てないのが男と言うものではないか!」
国王が言うと、重臣たちはお互いの顔を見合わせ、黙ってしまった。その様子を見て、国王は言った。
「決戦だ。」
「お、お待ちください、王様!」
一人の重臣が、慌てた顔で国王に言う。
「何だ?」
国王は、危険悪そうに問う。
「あ、あまりにも無茶すぎませんか?ここは潔く降伏したほうが、王様の命も安全ですし・・・、」
「何を言う。それよりも勝ったほうがまじであろう。」
「そ、それはそうでございますか・・・。」
「何も申すな。」
王はそう言い、玉座に座った。
「僕は・・・、降伏をした方がいいと思います。」
突如として、声がした。重臣たちは、声の源の一点を輪にして取り囲んだ。その男は、頭を下げて王に言った。
「君は1万の兵で7倍もの軍勢に勝てると言うのか?」
王がその男に尋ねる。男は冷静に答える。
「はい、勝てます。」
「ふぅむ・・・。」
王はしばらく考え、そして男に言った。
「君にこの国の運命をかける。」
「ちょっと!」
重臣が王に言う。
「国の運命を簡単に一人の男に預けるのはどうかと!」
「それなら君がやってくれるか?」
王に言われ、一人の重臣は顔を真っ青にして頭を下げる。王は、男の方を向く。
「名前は?」
「ミライ・ベラーミグン・ド・ミルギグでございます。」
その男は、王に頭を下げた。
新しい小説の構造が固まってしまいましたので、
そろそろ王子も終わりにしたいなと思っております。
短い間ですがいくらなんでも短すぎたかなと思っています。
反省していますw
とりあえずは今を楽しむ事にしました。
ある程度の長さは飽きずにかけるかもしれません。
まとめて書いて投稿しています。
ライバル登場ですねw
これからどうなるのでしょうか。




