第37話 第8節「それだから隠すのだ。次いて恋、フィロストラトス以外」1
次の日の朝。治ははっと目を覚ました。そしてベットから上半身を起こす。俺は昨夜、床の上で寝たはずである。それがなぜ、ハルスのベットの上に移動しているのか。治はびっくりし、横でくっすり寝ているハルスを眺める。
「おはようございます。」
ハルスを挟むように横で寝ていたヴィーナスも上半身を起こし、治に挨拶する。
「あ、おはよう・・・。」
治は躊躇して答えた。ヴィーナスは、治の返事を聞くなり、ベットから降り、治に声をかける。
「ねえ、一緒に散歩しませんか?」
「散歩?」
治はしばらく考え、まあ悪くないかと思い、ベットから静かに降りヴィーナスの方を見る。
「ハルスが起きていたらトイレってごまかせばいいしね、」
ヴィーナスが蛇足を付け加える。
「行こうか。」
治もにっこりとしてヴィーナスに言う。
ハルスの部屋のドアは、しまった。ハルスの部屋にいるのは、ベットでただ一人寝ているハルス。
「いるか。」
男は、大きな鳥の上に乗っていた。
「はい。」
鳥がしゃべる。
「そうか。」
男はそう言った。男は紳士の姿をしていた。すなわち紳士服を着ていたのである。
「ふふ・・・。」
その男はにやりとする。
「これで、わが王国も安泰だな。ぐぐぐぐぐ・・・。」
「旦那様、早くしましょう。」
その男の傍らから、一人の少年がぬっと顔を出す。
「はは、そうだな。」
男は憫笑し、それから鳥に命令する。
「あの窓を割れ。ハルス姫を奪うのだ。」
長谷川健治は、ひとつため息をつき、それから水の入ったバケツに雑巾をかけて、モップを肩にかけて、執事の粗末な部屋から出て行った。
「いつになれば帰れるんじゃろか・・・。」
ぼそりと健治は吐いた。それから元気のなさそうな声でハルスの部屋のドアを叩く。
「失礼します。」
しかし反応はない。おかしい。この時間ならもうすでに起きているはずだか。じいはそう思ったが、再度ドアを叩く。
「失礼します、じいです。」
しかし反応はない。まあ、いっか、本来なら姫は今は起きていなければいけない時、自分が今部屋にいても別に無礼にはならぬ。健治はそう判断し、再度ドアを叩く。
「失礼ですが、お着替え中でございましょうか?」
しかし返事はない。中から風の音がする。床にある無数のチリが風で舞い上げられるような音がする。じいは悪寒を覚えた。許可を得ず、ドアをバンと開き、部屋の中を見回す。
その部屋の中は、惨状であった。部屋にハルスの姿はなく、窓ガラスは大きく割れ、ガラスの無数のチリが床に散らばって、そしてあちらこちらに茶色の羽が落ちていたのである。自分の足元に落ちていた茶色の羽をしゃがんで拾い、じいはその羽根を目を凝らして見た。
「こ・・・、この羽根は・・・!」
じいは顔を真っ青にし、立ち上がる。
「まだ・・・、生きていたのだな。」
「トイレの場所、聞いていませんでしたね?」
ヴィーナスが治の肩に自分の頭を乗せ、治に詰め寄りながら歩く。
「あ、あの、」
治は顔を真っ赤にしてヴィーナスに尋ねる。
「な、何でそんなに抱くのさ?」
「いけないのですか?」
ヴィーナスも頬を赤らめていた。それを見て治はヴィーナスの頭をなで、そして言った。
「ハルスに見つかったら・・・、」
「別にいいです。トイレはどこですか?」
ヴィーナスが再度治に尋ねると、治はヴィーナスの体をなるべく見ないよう前を向き、言った。
「あっちだよ。」
「じゃ、早速行きましょう。」
ヴィーナスと治はトイレの入口に立つ。
「じゃ、俺、ここで待ってるから。」
治がトイレの入口の向かいの壁にもたれると、ヴィーナスは治の腕をくいくい引っ張る。
「何だよ?」
「い、一緒に来てください・・・。」
治は、やれやれという顔で、ヴィーナスに引っ張られるままトイレに入った。治が入ってトイレの入口から姿が見えなくなるのと同時に、廊下に、健治に案内されたモルデス45世が顔色を変えて走っていった。
「あ、あのさ、ここは女の、」
治は、いきなりヴィーナスに女子トイレに案内され、びっくりする。
「ねえ、ここに入ってください。」
ヴィーナスが治の腕を強く引っ張り、トイレのひとつの個室に無理やり入れる。ヴィーナスは、個室に二人しかいないのを何度も目で確かめた後鍵を閉めると、治に言った。
「ま、まず、は、裸になってください。」
「はい?」
治は、耳を疑った。
公式サイトを作ってみました。
http://s2.whss.biz/~kmys/novel/ouzi/index.html
久しぶりにエロシーンに挑戦してみます。
この前(居候の第13話)はパンツしかなかったのですが、
今度は裸で・・・
やっぱり無理がありそうですね^^;
エロに興味がないのにエロを描写しようと
無謀な企みを企てる不肖私であります。




