表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子  作者: KMY
35/46

第35話 第7節「君の後ろの戦争は勝った 君の前の戦争は」6

「するいわよ、そんなこと!」

 ベットから降りて、ヴィーナスはハルスに怒鳴る。

「はぁ?部屋の主に命令する気?」

ハルスは杖をヴィーナスに向ける。

「魔法を使うなんで卑怯!」

ヴィーナスが怒鳴るが、ハルスはそれを一蹴する。

「あたしに残された唯一の抵抗手段だから。」

「他にもあるじゃない!」

「ない。」

「いや、あると思うよ。」

治がその場に割って入り、ハルスを見つめる。ハルスは黙って治の頬を叩く。

「あんたも男なら、あたしの意見に同調しなさい!」

「い、いや、本当のことだし・・・。」

「へー・・・。」

ハルスは意味深長な笑顔を治に見せる。治は嫌な予感がした。治は後退りをし、ドアの方へ近づいていった。ハルスは黙って、杖を治へ構え、呪文を唱えた。

「フロート」

治が爆発すると思いきや、ハルスと治は唖然とした。事情を知らないヴィーナスは、唖然としている二人を見て唖然としていた。治の体は、空中に浮いていた。

「何で・・・。」

ハルスは、眼を丸くして持っていた杖を見つめる。治は、ドアの上端あたりまで浮いており、何とか降りようとあがいていた。

 ハルスはしばらく考え、それからにいっと不気味な笑みを出した。

「治!罰を変更!あんた、今日一日あたしの魔法の実験台になってよ?」

治は真っ青になった。それならば前の方がまじである。これは偶然で、次からすっと失敗で、殺されるかもしれないのである。

「ちょっと、やりすぎじゃないの。」

ヴィーナスが後ろからハルスに怒鳴る。それを黙って聞いたハルス、治の方を向き治に尋ねる。

「ねえ、あんたはあたしとヴィーナスの意見のどっちに賛同する?」

治は真っ青になった。意見に賛同するという事は、女を選ぶことである。いやはやどちらもかわいいのだが、問題は意見の正当性以前に自分の命である。正当性がある意見は、当然ヴィーナスのほうである。しかしヴィーナスの意見に賛同したらハルスに殺されるかもしれない。かといって、逆境に置かれても正義を貫く男に、治はなりたかった時を、この時に限って思い出してしまったのである。

 なかなか治が返事しないのを見て、ハルスは黙って杖を小さく振る。治の体が上下逆さまになり、ヴィーナスは真っ青になった。

「とりあえず成功のようね。」

ハルスが微笑を含めた声で言った。

「ち、ちょっとひどすぎます!」

ヴィーナスが怒鳴るが、ハルスは毅然とする。

「さあ、頭に血が全部行ったら、速く決められるわよね?」

「そ、そんなぁ・・・。」

頭に血が全部行ったら、紛れなく死んでしまう。速く決めなければいけない。命にかかわることなのだから。

「また?」

ハルスが聞くが、治は、命の危険に瀕しても思い悩んでいた。しかしそれも長くは続けられなかった。意識がもうろうしてきた。ここはどう考えても命の方が大事である。命の危機に瀕すると、安全な選択をする。その人間の本能がすっぽり出てきてしまった瞬間であった。

「ハルス!」

治は、力を振り絞って叫んだ。

「ありがとう。」

ハルスは優しい声で、杖を軽く振る。治の体の魔法が解け、地面に落ちる。

「あたた・・・。」

腰をさする治に、ハルスは飛びつく。

「治、大好き!」

ハルスのあったかい体に抱かれ、治は頬を赤らめた。悔しそうにヴィーナスは、それを見ていた。

「何ですか、これは!きちんと正攻法で行きましょうよ、ハルス!」

ヴィーナスが怒鳴るが、今のハルスには馬耳東風だったらしく、これっぽっちの反応さえもしない。それところが、治にさらに声をかける。

「ねえ、あたしの魔法の練習に協力してくれる?」

これを聞いたとたん、治は、ハルスの方を選んでしまったことを後悔した。死んでもいいからヴィーナスの方がよかった、というかどっちを選んでも死んでしまう。治は顔を真っ青にし、ハルスではなくヴィーナスの方を見つめる。ヴィーナスは、悔しそうな顔をして、終始そこにぼつりと立っていた。

やっとこれで1週間か、と思ったあなた、

小説しっかり読んでくださいよ。

休暇の2週間のうち、2日目なんですよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※この小説は打ち切られています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ