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王子  作者: KMY
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第15話 第4節「我輩はエロである。エロした事はまだない」2

 治は、痛快な朝を迎えた。

 ハルスの暴力により怪我を賜り、非情にありがた迷惑であった。

 そんでもって、寝床は床の上。しかもじゅうたんの上で寝てはいけないとくる。ハルスはちゃんとベットの上で寝ている。治は立ち上がると、ベットで寝ているハルスの横に来る。窓から光が差し込んできているが、薄暗い上ハルスはまだ起きていないようであった。

 治は、昨夜の仕返しをしようとハルスの横に立ったのだが、いさ目前にすると、ハルスの寝顔のあまりのかわいさに、治は頬を赤らめる。何だよ、こいつ。檸檬よりかわいいじゃないか。でも、俺が大好きなのは、ハルスじゃなくで檸檬なんだ、と自らを必死で納得させる。しかもハルスは暴力ばかり。でも、その澄んだ寝顔を見て、治はしゃがみ、ハルスの顔を真横から見る。見下ろした時とは違い、くうくうとした寝言が治の耳に痛く伝わってきた。

「ん・・・。」

突然ハルスが、起きたような口ぶりを見せたので、治は慌てて退る。しかし、ハルスが寝返りを打っただけとわかり、治は再びハルスの方へ近づく。その顔を見ているうち、治はもう耐えられなくなった。治は、そっとハルスの顔に自らの顔を近づける。治の心拍が、どんどん速くなってゆく。

「ん・・・。」

ハルスが声を出したのに気付き、治は再び退る。

「行かないて・・・。」

ハルスにそう言われ、治はためらいながら、ハルスの方へ近づく。

「あ・・・谷間に手をいれないて・・・。」

「谷?」

治は真面目な性格であり、この「谷間」の意味が分からず、この世界にはたくさんの谷があるのかなあと、窓の方を眺める。

「キス、して・・・。」

ハルスにそう言われ、治は顔を真っ赤にし、少しためらいながらもハルスの唇に自らのそれを押し付けてやる。

「ん・・・。」

 ハルスは起きた。目を覚ました。そして、今日真っ先に見た風景が、治の顔であった。純粋な治の顔。ハルスは真っ赤になり、慌てて唇を離した治を治より速く立ち一蹴り。さらに背を向ける治に再び股間蹴り。二発で治は倒れ、ハルスは倒れた治の背中にドンと座ると、言った。

「昨日のうちに殺しておけばよかった。」

「何の夢を見ていたんだよ。ってか谷間って何だよ。」

治にいきなりこんなことを言われ、ハルスは顔を真っ赤にする。が、すぐに治の頭を殴り、言った。

「ウィルソン王子と付き合っていたのよ!」

「死んだんじゃ?」

治がそう言うと、ハルスは再び治の頭を殴る。

「と、とりあえず、夢を見ていたのよ!」

「誰と付き合っていた?」

「えっ?」

「誰と付き合っていたんだよ?」

「ウィルソンに決まっているじゃない。」

「じゃ、谷間ってどこの谷?」

治がこう言うと、ハルスは顔を真っ赤にする。

「どっかを観光してたの?人前でキスをするなんて、」

治がそう言うと、ハルスは再び治の頭を殴る。

「それ以上言うな。」

「何でだよ。」

 と、ドアのノックの音がする。

「入って。」

ハルスがそう言うと、ドアが開き、中から健治が出てくる。

「じい。ちょうどよかった。早急にこの燃えるごみを処分してちょうだい。」

「燃えるごみでございますか。」

「そうよ、じい。早く処分してやって。」

「承りました。」

と、健治が言うと、ハルスは立ち上がり治の股間を蹴る。

「さあ、じいがあんたを天国に連れてってくれるそうよ。案内してくださるじいに感謝して。」

ハルスは、軽蔑したように、治を見下ろす。


 治と健治が部屋から出ていったあと、ハルスは再びベットに座り、うつむく。ハルスがさっき見ていた夢は、ウィルソン王子ではなく治と性的な行為をしている夢であった。その夢を思い出すたびいらだちが募る。その夢を何回も思い出し、ハルスは嫌な気持ちになり、それを吹っ切る気持ちで、立ち上がり怒鳴る。

「あたしは治じゃなくてウィルソン王子が好きなのよっ!」

「何の騒ぎ?」

ハルスははっと前を見る。いつの間にかドアは開き、ウィリエが顔を覗かせていた。

「姉さん!」

ハルスは顔を真っ赤にし、ウィリエを見る。

「おはよう。」

ウィリエが言った。

「な、何の用よ。」

ハルスは恥ずかしそうに言った。

「さっさと告白しないとあたしがもらっちゃうし、心だって離れるわよ?」

「違うの!あたしはウィルソン王子が好きで、」

「死んだでしょ。」

ウィリエに一蹴され、ハルスは涙をぼろぼろこぼし、ひざをかくんと折る。

「そ、そんな事言わないてよ・・・。」

ハルスは涙を流し、言う。

「それじゃ、まだ後ほど。」

と、ウィリエは早々にドアを閉め部屋から去って行く。ハルスはしばらく泣いた後、ウィリエがばたんと閉めたドアを眺める。

退る:すさる と読みます。

軽蔑:けいべつ です。

ごめんなさい、漢検1級は早すぎたようです。

変換にも反映されるようになりました、難読漢字。

この前は、たんぽぽがどうやっても蒲公英になります。

ほこうえい?ほこうえいって何だ?当て字です。


読めない漢字があれば、それは全部僕の所為せいですので、

恥ずかしからずに調べてください。

恥ずかしかるべきは全て僕なのですから。

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