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キラームービー①

 場所はバレンティという街。夜道を1人の男が走っていた。男の顔は焦燥感で怯え切っており、独り言をブツブツと呟いていた。

「何なんだ、何なんだよ・・!!全てが上手くいってたのに。何で、何で」

 曲がり角を曲がった瞬間、男の顔は死人のように青ざめる。目の前には黒いレインコートで身を包んだ大男がナタを持って迫ってくる。

「どうして・・どうして映像通りにならなっ・・」

言葉は途切れ、男の頭は血飛沫と共に宙高く舞い上がった。


 

 2人の姉妹が人里離れた森の中で質素な暮らしをしています。姉の名はメリー、妹の名はパンチャ。

 親は幼い頃に死に、まだ19歳、14歳という若さで親の遺産を頼りになんとか暮らしてます。

 姉のメリーはタバコを吸いながら朝早く、妹のパンチャを起こそうとします。

「パンチャ、パンチャ!起きる時間だよ!朝食を済ませて、街に行って何かお金になりそうな物を見つけてきな!」

 パンチャはベッドから飛び出て、身支度をします。

「・・・分かったよぉ」

「物乞いでもなんでもして金をつくるんだよ」

メリーは身支度を済ませたパンチャを急かして家の外に追い出しました。

「今日は何かお金になりそうな物があるといいな、無かったらまた姉ちゃんに叱られる」

 パンチャは家を出て、歩きながらそう愚痴をこぼします。姉は生活費のために、バレンティという街で妹に物乞いや金になりそうな物を探させていました。見つからなければ食事が抜きになることもあります。



 街につき、辺りを見渡します。

「昨日は物乞いをしたから、今日は何かお金になりそうな物がないかゴミ箱を漁ってみよう。あーあ、天気が悪いなぁ〜雨が降ったらどうしよう」

パンチャは灰色の空を見上げならがら街の中に入っていきます。

「ここで探そっと」

 裕福そうな服を着た通行人が行き来する中、ゴミ箱を漁ります。

「何これ」

ゴミの中からケースに入ったDVDを見つけます。

「高く売れるDVDかもしれないから持って帰って、家の機械で調べよ」

 親の唯一の趣味は映画鑑賞でした。家にあったDVDは全て売ってしまいましたが、親が大事にしていたDVDプレイヤーは残ったままです。

「あ、雨が降ってきた」

雨が降ってきたので家まで走って帰ります。



「姉ちゃん、帰ったよ」

 ずぶ濡れになったパンチャは姉に帰ったことを報告します。

「それで、収穫は?」

ずぶ濡れになった妹を気にする様子はありません。

「高く売れる物かもしれないから再生してみようよ」

 パンチャは姉に提案します。

「DVDなんか高く売れないでしょ、まぁいいわ」

お金、金品を期待していたメリーは不満そうに言いながら、父の部屋に向かいます。DVDプレイヤーの準備を終えると、

「それを貸しなさい」

 メリーはDVDをDVDプレイヤーに入れます。しばらくDVDを読み込む音がすると、突然画面がつき、2人の姉妹は驚きます。メリーは驚き、無言になってる姉に伝えます。

「映ってるの・・・この部屋じゃない?」

「ええ、でもおかしいわ。右下に書いてある日付が明日の日付になっている」

 映像の右下に書いてある日付は4月13日と表示されている。しかし、今日の日付は4月12日だ。

「姉ちゃん、なんだか怖いよ」

「君が悪いわね。映像が変わったわ」

映像は家の中から見慣れた街の光景となる。映像の中でパンチャがゴミ箱を漁っていた。

「私だ・・」

 パンチャは映像に自分の姿が映っていたため、ますます不安になる。映像を見続けていると、パンチャはゴミ箱から離れて行った。離れて行った数秒後に、1人の大男が辺りを見渡しながらゴミ箱に鞄を隠している様子が映し出された。黒いレインコートで身を包んでいたため顔はよく見えない。

「何を入れたんだろう」

パンチャは姉に質問をすると、

「さぁね。でも、未来を映すDVD・・・きっと良いものに違いないわ。明日街に行ってあの鞄を持って帰ってくるのよ」

 姉には得体の知れないDVDよりも大男が隠した鞄に興味深々のようだった。


 

キラームービー①です!②も投稿する予定。

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