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異世界占い師・ミシェルのよもやま話  作者: Moonshine
女の幸せって

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75/113

(あ、また算数だ)


どうもこのカラオケ本、子供のセクションは算数系の歌が多い。

前回も掛け算の歌だの割り算の歌だの、そんなセクションにぶちあたったと思う。

ミシェルには子供はいないが、子供がいる先輩は、いつも携帯にそんな歌をいれて、隙あらば子供に聞かせているとか言っていた気がする。おかあちゃんも大変だ。


ミシェルがサイコロの目の通りにページを開いたら、そこには足し算の歌。


1たす9は10、2たす8は10,そんな歌だ。


(なんじゃこら)


どうやらどの歌詞も、足したら10になるコンビネーションを歌っている様子だ。

まあ、先輩が言っていたように、小学生の算数の勉強にはいいのかもしれない。だがなんだこりゃ。


ミシェルは歌詞に集中する。


そのうちに、歌詞は数字3つの足し算、数字4つの足し算になる。


1たす2たす3たす4は10。

1たす1たす1たす7も、10。


(まあ、そうだよね、だからなんなんだろ)


数字はつづく。


そして、ミシェルの目の前にみえる、光の粒も、同時に強さをおびてきた。

そして、ぼんやり光の粒に意識を向けると、その大きさは数値となって、ミシェルのビジョンに迫ってくる。


いくつも波のように折り重なりながら、おしよせてくる、ファブリジェ女史の家庭を担う光の粒。

ミシェルはその光の粒の種類を感じながら、光に心を寄せる。


一つ目の波は、外向きの光の粒だ。

これは、仕事や外からの収入に関連している光の粒だ。


女史も、ご主人も手を取り合って、二人で一つの光の波となっている。


だが、光の粒がご主人は小さく、女史は非常に、非常に大きい。

頑張って大きくしているが、疲弊しているご主人と、頑張って小さくしているが、非常に息苦しそうな女史の姿がみえる。


(ああ、こりゃご主人仕事辛いよね。あんまり仕事むいてないのね。女史の方は、仕事我慢するのがつらそうね。すごく、すごく大きなエネルギーだもの。行き場を求めてる)


次の光の波は、内向きの光の粒。家の仕事や、育児に関連する光の粒。


ガリガリとして非常に不器用な光の粒をもつ女史。するっと、滑るように上手におどる光の粒を持つご主人。


(ひゃー、こんな光の粒で家事してたら、毎日疲れ果てるわ)


だが、二人は二人で一つの波である事を、守っている。

これはよい家庭になるはずだ。二人で一つだと、二人とも心を決めているのだから。


そして。


「あー!!!!!!」


ミシェルは突然に、そしてやっと、分かったのだ。

ミシェルの大声にびっくりしたファブリジェ女史は、目をぱちくりさせてこちらを見ている。

立ち上がって、ミシェルは大きな笑顔をみせた。なんだ、簡単な算数だ。


「あなたが8で仕事して、ご主人が2で仕事したら、合計10よ!」

「そんでもって、ご主人が8で家事して、あなたが2の家事をしたら合計10よ!」


顔中で?という表情をしているファブリジェ女史に、ミシェルはもっと迫る。


「それどころじゃないわ、あなたが10で仕事して、ご主人が2で仕事して、それからご主人が8で家事をして、残りの2の家事を、外の人にきてもらえば、全部の合計は20よ!計算があうのよ!」


ミシェルは、謎が解けてもう有頂天だ。

非常に頭の切れるダンテは、ミシェルの算数的な解釈に、すぐ反応した。


「ミシェル、分業の比率を変えろと言っているのだな」


ダンテは興味深々といった顔をして、体を乗り出してきた。


「そうよ!なんて簡単な事だったのかしら!カロン!カロン!ちょっとその積み木もってきて!」




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