第五十話
お久しぶりです。
他の作品を書いたり、読み専になったり、体調崩したり、人生強制リセットされたり、ありました。
また書けるときに書けるものを少しずつ書かせていただきます。
ばっ!と起き上がる。医務室らしく、カーテンで仕切られたベッドに私は横になっていたらしい。
あの瞬間。確かに得た。魔法の神髄とも呼べる感覚。
完全な制御をもって同じ属性を支配する。
風を纏い、動作を補助する魔法がある。体重の軽減や追い風を受けて素早く動くのだ。
風に限らず攻撃魔法は基本的に自分に向かってくる。つまり向かい風とも言える。
誰かが放った魔法。それと向きを合わせて、一度受けてから、分解する。
ただし、接触するのは刹那の間だ。1秒どころか通り過ぎる瞬間にそれが出来なくては自身が傷を負う。
だから、剣に魔力を流す。
剣と腕の長さの分だけ敵性の魔法に触れる時間が伸びる。
魔法には魔力と、魔法を構成するものがある。それは私たちで言うところのシンボルだ。敵の魔法属性に合わせてこちらも同様の魔力を上書きすることで支配し身を守る。
無駄な魔力も体力も使わない防御。
それ以上に、魔力をスムーズに放出することが出来る。感覚でわかる。
なるほど。盾のシンボルは、言わば魔力を一瞬だけ相手の支配から奪うためのものだ。実態は魔力そのものを押し出して、『敵性魔法攻撃』を『魔法攻撃』に変えているだけ。無論攻撃である以上受ければダメージになるが、支配権はなくなる。精密な制御が必要な魔法も乱せるかもしれない。
試したい。この感覚で。
私はもう一度外に出るべくベッドを出た。




