第四十九話
火、水、雷。
スノウが得意とする、属性。得意ということは使い慣れているとも言える。
火と水は反属性にあたる。
そこで改めて火と水の属性について考察した。
『火』とはなにか。
『水』とはなにか。
火は暴虐。怒りを司るもの。
水は冷静。静寂を司るもの。
ちがう。こんな理屈まみれの図式は今必要ない。もっと根源的なもの。火は熱く焼くもの。水は冷たく流れるもの。火も流動する。水も止められない。火は生活を豊かにした。水は恐怖をもたらした。火は知恵をもたらした。水はなくてはならないものだ。
ふと、気付く。私にとって火と水とは、なんだ?
火は熱。生きること。
水は冷。死ぬこと。
生死に性質にと真逆なそれをなぜ得意なのか。
生きたいからだ。
死にたくないからだ。
だからそれらを理解しようとした。
理解できるはずもないのに。
殺したくない。生きたい。エゴを象徴している。
熱を操つれれば身体を動かしやすくなる。自らが死ななくなる。
冷たさを知れば敵の動きを止められる。敵を殺さなくて済む。
そこからは思考の海に溺れるように言葉の羅列が続く。生きる。死ぬ。私の甘い考えが嫌という程分かった。だが、その甲斐があった、と、思う。
意識も途切れがちになりながら『反属性・盾』の真髄とも呼べる感覚に触れた。
水で火を起こす。火で水を作る。矛盾するその感覚。
水の魔力が少しでも介入すると火の魔力は十全な力を発揮できない。
水の魔力も同様。水を完全に制御することで乾き、火を起こしやすくする。
完全なる断絶。混じり気のない純粋な火魔力と水魔力。これを発現させることで『盾』は成る。
反属性『盾』。火の盾『炎裂き』と水の盾『断水』。
これを、修得し、意識を失った。




