第四十八話
ミコト・カグラザカから伝えられた内容。
『学徒動員の可能性が高いレベルの戦争が起きる』
『現在学園に在籍する全ての人間に新しい魔法を全属性修得させる』
大まかな2点。たった2点。だがあまりにも大きな2点であり、学園長は執務室で頭を抱えた。
「陛下の仰せとも合致する。ミコト・カグラザカを臨時教員として、特別授業を開始する」
「しかし、学園長。生徒たちは未だ疲労が抜けておりません。更に学徒動員の話などしたら何人も学園を去るかと」
「ことは一刻を争う。いや可能性の話だったものが現状味を帯びた。新しい魔法の研究という名目で陛下にも伝えよう」
そんな教員たちの会議を尻目に、生徒たちは1週間前の演習の疲労から抜け出せないでいた。
そう、既にかの事件から1週間も経過していた。
「・・・・・・というわけで、みなさんの命を守るためにもこれから教えるシンボルを完全に修得してもらいますの。リズ、準備はいいですか?」
「はい!『闇の3、夜の帳』!」
「『闇穿ち』」
闇で対象を包み視界を遮る魔法をあっさりと切り裂く。
派手な方がデモンストレーションとしていいと思うんですの!
と、張り切っていたミコト様は内心ウキウキしてるだろう。生徒たちからも、お〜と呆けた声が聞こえる。
その間私は何をしてるかと言えばひたすら相殺訓練を続けていた。
相殺訓練とは、一人でも可能な対抗魔法の練習法だ。例えば片手に火、片手に水を出しぶつける。ただし、威力は完全に同一化して。この例えだと水の方が火を消しても残ってしまうため、少しだけ火を強くして水を蒸発させなくてはならない。しかし半端では手に火傷を負う。なので威力を見極めつつ、一気に放出する必要がある。
今やっているのは盾と光。成功条件は魔力を光らせずに霧散させること。
これが、意外と、難しい・・・失敗。かすかに光が漏れた。




