第四十五話
命の責任を負う。
その覚悟が、私にはない。
だから無力化という安易な手段を取る。
四肢に更に傷と共に毒を仕込み、魔法で拘束する。
この選択だって間違いではない。
あとは先生方に任せよう。
「よくやった」
「いえ、私は・・・・・」
「あれでいいんだ。間違ってない」
「・・・・・・はい。リズ!ミコト様は?」
「手当だけは済ませました。傷も残らず完治すると思います。暫し安静が必要ですが」
「良いところはスノウ様に取られてしまいましたの。でも実戦経験にはなりましたね」
実戦経験。これが。
領地でやっていた妖魔討伐や盗賊の捕縛などとは全く異質な経験。正真正銘、命のやり取り。
これを、将来更に経験しなければならい可能性がある。それもなんの戦闘経験もない学徒動員も考慮しなければならない。
初めに動くのは勿論騎士団や冒険者、傭兵などだろう。だがそう遠からず学徒動員される。
ぞっとする、どころではない。
どれだけの犠牲がでるか。
どれだけの血が流れるか。
まずは平定に向けて動いて、時間を稼がなければ。
そのためには傲慢な大臣たちを説得するか、いや時間がない。
なんだこれは。
なんだこの状況は。
八方塞がり。そう言われてるように感じた。
「ふむ、そうきたか」




