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第四十二話

「それはさっき見た。もう通用しない。今度は、こちらからいくぞ」

右腕一本から繰り出される叩きつけられるような斬撃。そしてこちらの体勢を崩そうとする蹴り技。

腕と脚両方に気を配り、なんとか持ち堪える。


叩きつけの斬撃。言わば断撃と名付けられそうなそれは、剣を通じて手を攻撃してくる。

何度も受ければ手がしびれて剣を手放してしまうだろう。



その前に決着を。そう思えば狙ったかのように上段蹴りと足払いがくる。攻めきりたいのに攻めきれない。もどかしい状況。その時、私は一瞬相手の動きから集中を切らせた。足払いによって転倒する。


即座に転がり断撃を避ける。


髪数本が斬られただけで済んだ。最早私は相手にとってこの場で始末すべき一人として認識されているのだ。

それが嬉しく、恐ろしい。


「はい、そこまでー」

地中から石の槍が無数に生える。私を守るように。

相手に取っては腹や腕、脚を貫くように。まるで生きているかのように動く石槍の一本が相手の頬をかすめる。

「こっちはどっちに死なれても困るんだよ。生徒は守るし、(お前)は捕らえる。眠っとけ」

同時に相手は膝をつく。

「眠気‥‥‥どく、か」

「その通り。話せてるだけでもお前は凄いな」

「おの、れ‥‥‥小、娘、貴様はころ、す」

どさっと音を立てて相手は崩れ落ちた。


「やれやれ、ほれーさっさと出ろー」

殺せなかった。私では勝てなかった。最後は、先生に助けられた。強い無力感に苛まれた。


「逃げろ!」

え、と声にもならなかった。

気付けば自分の腹から血まみれの短剣が生えていた。

相手が持っていた物と同じ物で、背中から刺されたのだと理解するまで、私は動けなかった。


最後に目にしたのは、倒れたはずの男が魔力に包まれて立っている姿だった。

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