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第四十一話

血しぶき。

ばしゃ、と水をこぼしたような音。

転がる男性の腕。

一拍遅れて、ぐっとくぐもったうめき声。

そして今まで自分を圧倒していた相手の姿。


左腕を無くし、血にまみれ、無くなった腕を呆然と見つめている。


私がコレを成した。


あとは失血が続けば勝手に意識を失ってくれる。

と、思った。


相手の目にはどす黒い色が宿っていた。

それは多分、警戒であり。憎悪であり。殺意であり。敵意だろう。

今改めて、私は敵に認めれた。『人質に値する小娘』から『この場で殺す敵』に。

少なくとも甚くプライドを傷つけたようだ。


腕一本分バランスが崩れ、失血もした相手。ここにきて、私はまた躊躇しようとしている。


もう止めておこう。死んでしまう、と。

それがどれだけ心を傷つける言葉か知っているのに。


だからこそ、私も貫き通す。自分を叱責する。

相手を殺すつもりで、より研ぎ澄ませて。

斬る。



無拍子。

それは右手だけで構えた相手の剣に防がれた。

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