第三十八話
「魔法なし。剣だけなら俺に勝てる、と言いたげだね」
「若いですから。体力には自信ありますよ?」
呑まれるな。
「なるほど。確かに毒剣もなし、剣の重量や間合いではこっちが劣っている、と」
「そうでしょう?それに、私はこれでも辺境伯家の者でして。剣だけの白兵戦もそこそこですよ?」
呑ま、れるな。
「粋がるなよ、小娘」
「!!」
ぞわり、どころじゃない。どくん、と来るほどの殺気。
呑まれない!
「ここで私を守れるのは私だけ。それとも私を人質にでもして逃げますか?」
「まぁ、なるようになるでしょ。はじめる」
言い切る前に踏み込み。一気に肉薄。速度と重量の乗った剣を重力も加算して、叩きつける。
がぎり、と火花が散る。どちらの剣の刃こぼれかは今は考えない。
私の持つ剣は両手持ちにも片手持ちにも使えるロングソード。先の渾身の一撃は骨を断つ勢いで放った。いや、骨どころか全身を真っ二つに出来たか。
とにかく当たれば即行動不能にできる威力だった。
難なく片手で防がれたけどね!
咄嗟に短剣で防ぐ胆力と動体視力。
腕には多分何か仕込んでる。出ないと手首を挫くぐらいはしたはずだもの。
他にも武器はあるのか?あるなら暗器の類。
神経を削る!さっきの一撃で終われば良かったのに!
「そろそろこっちからもいくぞ」




