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第三十六話
薄布を裂くような感触。
魔力と魔力がぶつかり、僅かな抵抗と共に消滅する感触。
至近距離まで発見されなかったらしく、隠れ蓑は消失させられた。
代わりに水魔法による迎撃の準備だけはさせてしまっていた。
予想以上に反応が早い。
「『水の大槍』」
眼の前に水で出来た槍の先端が迫る。無慈悲な声はどこか遅く聞こえた。
相手の姿は見えた。
私は姿隠しを解いて先生方からも見える位置にいる。
あとは目の前の敵を倒すだけ。
あと、一手‥‥!
「風の2、逆巻く風。『旋風』」
ミコト様の声。確か旋風は風の盾を出す魔法防御に長けた魔法だったはず‥‥‥。いや、物理法則を考えるなら突風は土を散らし、波すら押し返す。
水の大槍が減速し、少しずつ水量が減っていく。
切れ。自分の命に傷を付けようとする水を、断ち切れ!
「風の3、『烈風斬』!」
水の大槍を切断。
「『水の矢衾』」
両断した水から矢が伸びてくる。
多分シンボルスタンプの効果は残りわずか。
まだ風だけだ。風ならば魔力を絞れば即時発動できる。
「風の5!身体付与!」




