第三十一話
「ミコト様!」
「くっ‥‥‥‥だい、じょう、ぶ、です!それより矢の来た方向に注意を‥‥‥!」
殺到する水の矢。否。まるで剣山を並べたような、水の矢の壁。
水属性中級範囲魔法・『水連鮮水刃』。
風のシンボルスタンプを手に掛け、突風を起こして全員の無事を確保する。代わりに私は暫く風属性しか使えない。
牽制の意味も込めて剣を左手に持ち替えて、右手で風魔法を放つ。
風属性初級単体攻撃魔法・『息吹追い』。
これは対象を定め、その対象の呼吸を追跡して攻撃する。威力はそれほどでもないが、追跡効果があり、風のシンボルスタンプにより風属性は魔力を上乗せし易い状態だ。一瞬で5つのシンボルを描き出し、攻撃する。
「リズ!ミコト様に治癒術は使えますか!?」
治癒術は最低でも光属性中級魔法からだ。それも効果は多岐にわたる。
「直接触れられるならば可能です!ただし完治までは時間がかかります!」
「ミコト様!防御術は今使えますか!?」
「防御も、援護も使えます!治癒が完了次第参戦いたしますの!」
剣士にとって僅かな痛みも違和感となり、それは太刀筋に影響する。もちろん、それを押して戦うことも時には必要だが今はそうじゃない。
「ミコト様は防御を優先してください!リズとご自身を守って!リズはミコト様の治癒を!私は先生方と一緒に戦います!」
勝利条件は黒い石の破壊と敵の捕縛。
敗北条件は誰かの死亡。
といったところでしょうか?
改めて剣を持ち直す。
右手には風のシンボルスタンプ。多少限定的ではあるものの、学園までの馬車の中で鍛錬した。その中で思いついた戦い方もある。
相棒たる白い剣が輝く。




