第十五話
「よろしいですよ」
「仕方ありませんの」
「お、お二人ともそんな簡単に・・・・・」
ミコト様が公爵。他国の留学生なのは分かってましたが、まさか大公様だったとは。言葉遣いなど改めた方がよろしいでしょうか?
「い、一時間後!一時間後に鍛錬場へ来い!」
「そうだ!互いに剣を持って正々堂々勝負だ!」
「逃げるなよ!」
それだけ叫ぶとバタバタと食堂を出ていきました。
私達は食べかけの昼食を再開しましたよ?
そして食後のお茶も飲んで、鍛錬着に着替えた後で鍛錬場へ向かいました。
「逃げなかったことはほめてやる!さあ、初戦は俺が相手だ!誰が相手だ!?」
えっと・・・・ボクサ子爵家の方でしたっけ?
こちらは・・・・・・
「私に行かせてください!」
「リズベット様?どうかされたのですの?」
「あちらの中ではあの方が一番爵位が下ですし、ボクサ子爵家は武の家系で、私達魔法の家系を見下す方でもあるのです。個人的にも許せないことが多数ありましたので、魔法の強さをしかとお教えしたいと思います」
あ、珍しくというか見た目に合わず怒ってらっしゃいますね。これは任せても大丈夫でしょうか?
「ええ、それならば存分にやってらっしゃいませ」
「ミコト様。そんな簡単に・・・・」
「大丈夫ですの」
「ガーベラ・リズベット!参ります!」
そう言って杖を構えた。
「リズはあの程度の輩には負けませんわ」