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はじまり
その日、僕たちはまだ普通の日常を送っていた。
「今日はみんなで何しようか?」
賢くて容姿端麗な姉。
元気いっぱいで姉好きな妹。
僕はそんな姉妹と仲良く毎日を過ごしていた。
「今日はしりとり鬼しながら帰ろ~?」
妹は姉に抱き着きながら言う。
三人は田舎のごく普通の学校に通っている。
自然豊かなこの地域では、いろいろな遊びがある。
「じゃあ私が鬼ね」
賢い姉はいつも決まって最初の鬼役を買って出る。
みんなも理解しているが姉なりのハンデだ。
そして僕が最初につかまる、というのがいつもの流れだ。
「じゃあ僕は今から全力で逃げるね」
「あー抜け駆け禁止~」
僕は自然が好きで、花や植物や生き物たちを研究するのが大好きだ。
だから一目散に逃げて、今日の観察をしようとしていた。
まぁすぐ捕まるかもしれないけど。
みんな病気もせずに、何不自由なく生活している。
このまま楽しい時間が続いていくと思っていた。
「ちょっまっ、、じゃ今からスタートね!」