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精霊のジレンマ~古の記憶と世界の理~  作者: 三河三可
タカオの街のドワーフ

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閑話6.良き理解者ソースイ

 精霊にも様々精霊が居る。猪突猛進なタイプや深謀遠慮なタイプ、喜怒哀楽が激しいタイプに沈着冷静なタイプ。

 そして精霊といっても、頭が良いという訳ではない。知識として精通しているものも居れば、感覚として把握しているものも居る。


 そして目の前にいるハンソは、超感覚の持ち主になる。


 長い年月をオオザの崖の上の巨石を持つことだけに捧げてきた精霊。

 長い時間を孤独に過ごしてきた為か、なかなか言葉が出てこない。


 必ず喋る前には、“エトッ”か“ントッ”の枕詞が入る。


 精霊とはいえ、ハンソの育ってきた環境が影響する。クオンやムーア、ブロッサだって、社交的な性格ではないし、そこについては理解があると思う。


 しかし最近、“エトッ”と“ントッ”の枕詞が長くなっている。


「エトッ、エトッ、エトッ」


 と繰り返すだけで、なかなか話し出さない。表情から喜怒哀楽くらいは分かるのだが、詳しくは理解してやれない。


 戦闘や緊急時には、最低限の会話やコミュニケーションは必要になるので、


「落ち着いて、ゆっくりでイイから話してみろ」


と言ってしまった。今思えば、悪い判断だった。


「エトッ、エトッ、エトッ、ントッ、ントッ、ントッ」


 枕詞が更に長くなり、“エトッ”と“ントッ”のみになってしまった。一瞬だけ違う言葉を発しているのかと思ったが、アシスでは言語は1つしかない。

 間違いなく、“エトッ”と“ントッ”と言っている。


 そこに現れたのが、良き理解者のソースイ。俺には同じ“エトッ”と“ントッ”に聞こえるが、ソースイ曰く全くの別物であるらしい。


 “エトッ”の長さや発音、アクセントで、何を言っているかが分かるらしい。

 ソースイも忌み子として、差別され疎まれ陰口を言われ、独りでいる事が多かった。


 そんなソースイだからこそ、ハンソの気持ちが分かるのかもしれない。


「ムーア、ハンソの契約を見直したいんだけど出来るか?」


『えっ、もしかして・・・。何もしなくても、召喚するだけで魔力は消費してくれるわ。それに数も力になる時もあるはずよ!』


「だから、首にするって言ってないだろ」


『あら、そうなの。意外と我慢強いのね』


「俺の魔力を使って、ソースイに召喚させる事は出来ないのか?俺は召喚出来なくても大丈夫だから」


『ソースイに命令権を与えれば大丈夫よ。だけど、あくまでも命令権の2番手としてで、あなたが1番なのは変えれないわよ』


「分かったよ、それで大丈夫だ。今すぐに変更してくれ!」


 精霊が増えれば、統制範囲にも限界が出てくる。今後は必要になるかもしれないが、まずはソースイとハンソで頑張ってもらおう。


 これは今後の事を考えた、新しい事への挑戦。ソースイが物凄い顔したが、それは見なかった事にする。

 なぜなら、ハンソが嬉しそうな顔を見せているから!

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