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精霊のジレンマ~古の記憶と世界の理~  作者: 三河三可
オオザの崖のゴブリン編

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閑話2.黒猫のクオンとウィスプ達

 俺は、雷の精霊でウィル・オ・ウィスプのルーク。仲間には、メーンとカンテが居る。


 同じ雷から生まれた、兄弟のような存在で、俺は青い光、メーンは白い光、カンテは黄色い光と、僅かに違う。


 そして、俺達の物語は、敗北から始まる。


 ヒトの手の上に、俺と似た青色の玉が浮かんでいる。俺よりも少し大きいくらいで、これは挑戦するしかないと思った。


 少しだけ魔法は使えるが、魔力はまだ弱い。1番得意なのはやっぱり接近戦になる。1発で決める!と意気込んで突撃したが、簡単に弾き返された。

 それを見た、メーンとカンテも俺を援護するように、突撃するが結果は同じ。


 あの青い玉は、表情一つ変えない。相手が格上の存在なら、こっちも本気を出す。俺とメーン、カンテは3人で1つ。連携すれば、誰にも負けない!


 タイミングを合わせ、一斉に攻撃するが結果は同じ。3人同時弾き返された。

 しかし、簡単には諦めない。1度で駄目なら2度、2度で駄目なら3度と繰り返す。


 そして、その時がやってくる。弾き返された瞬間、俺は何か柔らかくて危険な物に、更に弾き飛ばされる。

 僅かに俺の視界に入ったのは黒猫。メーンはで押さえつけられ、カンテは口に咥えられている。


 真剣勝負ではない、明らかに手加減された攻撃。体勢を立て直すと、メーンとカンテも解放されている。

 そして、黒猫は“かかってきなさい”と言っている気がするが。


 完全に遊ばれている。埋めようがない実力差がそこにはある。短い人生、イヤ精霊生だったと覚悟を決める。


「なあ、仲間になるか?」


 青い玉の主人が声をかけてくる。もしかしたら、あの青い玉に近付けるかもしれない。そうすれば、黒猫にも負けない。今は耐えよう!



 そして、俺達は強くなった。強くなって、初めて見えてくる事がある。


 黒猫のクオンの強さは、俺達はでは全く見えない異次元の強さ。こっちが全力で逃げても、簡単に追い付き、手加減された肉球の攻撃をしてくる。

 柔らかいが背筋が凍りつく、恐ろしい攻撃。


 何も考えるな!とにかく今は逃げよう。この命がけの鬼ごっこから。

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