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精霊のジレンマ~古の記憶と世界の理~  作者: 三河三可
クオカの洞穴の死霊
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閑話15.ケモミミエルフ姿のシナジー

 霧の精霊とは何なのだろうと、何の為に生まれたのだろうと自問自答する。


 火属性と水属性がぶつかり、両者の存在が打ち消し合う前に生まれたのが霧の精霊。ただ霧を作り出し、視界を悪くするだけの能力だとされている。


 霧を嫌うハーピーが巣くう岩峰だからこそ、霧の精霊は重宝されている。霧の中に隠れてしまえば、ハーピーは襲ってこれない。ただ、ハーピーから身を隠してくれるだけの存在でしかない。


 しかし岩峰を離れてしまえば、霧の精霊には何の意味があるのだろうか?きっと何かしらの存在意義があるのだろうと、研鑽を積み重ねスキルを理解し高みを目指してきた。


 その結果、霧を作り出す事だけでなく、温度変化や温度感知、水蒸気の濃度コントロール、触れたもを形状記憶する事が出来るようになった。


 しかし、それで何が出来るというのだろうか?このスキルは必要なのだろうか?このスキルを使える事で、アシスで生きる様々な種族は、私達をどう見るのだろうか?


 まずは、この岩峰で一番多く見掛ける蟲人族。彼らは、私達の事を一番理解してくれて、協力関係にある種族になる。

 しかし、どんなに研鑽をつんでも結局は霧しか作り出せない事に変わりはなかった。だから蟲人族が、私達を見る目にも変化はなかった。

 それと同時に、彼らは私達が岩峰に居る霧の精霊であって欲しいと願っている事も分かってしまった。悪くいえば、岩峰に閉じ込めておかなければならない精霊。

 だから彼らは、私達とは現状のままの関係を望み、これよりも変化する事を嫌った。


 そして私は悟った。そう、霧の精霊は常に変化したいのだと。常に変化し形を変える事自体が霧の精霊の本質であり、私が求めているものだと気付いた。


 そして次に多いのがドワーフ族。しかし私達との相性は悪かった。ドワーフ族の頭は武器や防具をつくる事でいっぱいで、それに関係しないスキルは全く興味を示さない。だからドワーフ族に、私達が取り付く島もない。


 その他にも、オニ族や巨人族、エルフ族と様々な種族に触れたみたが、結局はどの種族も一緒だった。


 そして、目の前に現れたヒト族。周囲に私達の霧のように魔力を漂わせ、その魔力濃度を調整している。私達のスキルと共通する所があるが、その扱いはまだまだ未熟で私の方が優れている。

 そして、このヒト族をしばらく観察してみると、複数の精霊を召喚している。ヒト族で複数の精霊を召喚している事に驚いたが、一番驚かされたのが魔力濃度の調整を、召喚した精霊に手助けさせている。


 そうか、私1人だけの力で変わる必要なんてないんだ。そう思うと、今まで見えていた世界がガラッと変わって見えて来る。


 この機会を逃がしてはいけない。この岩峰を通る種族の中でも、やっと私が相性の良い思える存在を見付けたのだ!


 まずは、重要なのは第一印象よ!あなたの好みの姿になってあげる。私の温度を操り感知するスキルの前では、あなたは隠し事なんて出来ない。


 さあ、あなたはどんなタイプが理想なのかしら?

お読み頂きありがとうございます。

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物語はまだまだ続きますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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