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精霊のジレンマ~古の記憶と世界の理~  作者: 三河三可
ヒケンの森のオニ族編
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第11話.ヒケンの森のオニ族と異変

 オニ族は、力が強く体が大きい。普通の大人で2mくらいはある。アシスの中でも体が大きい種族になり、頭には頭頂部に1本か、左右に別れて2本の角が生えている。それ以外の見た目は、ヒト族と大きくは変わらない。


 ただ身体能力が高い代わりに、魔法の適正が著しく低い。大抵の種族は複数の魔法が使えるのに対して、オニ族は1種類のみ。そして、それはオニの角の色に現れる。火の属性なら赤みがかった角、水の属性なら青みがかった角になる。肌の色とか、1本角だから赤オニ、2本角がオニ鬼とはならない。


 そして魔法が繁栄するアシスでは、オニ族は恵まれない種族といえる。


 と説明されて、改めて無属性魔法しか使えない俺が恵まれていない事を実感させられる。それも、嬉しくないレア属性。


 もちろんアシスでも力の強弱が、上下関係をつくってしまう。オニ族の中でも他種族の下に甘んじる者もいれば、それを是としなかった者もいる。ヒケンの森のオニ族は後者になる。


 他種族の下を是としなかったオニ達は、オニ族の特技の酒造り活路を見出だす。


 酒を捧げる事により加護を得る。ヒケンの森に様々な色の湖。それを使用して造られる酒を捧げる事により、ヒケンの森に僅かではあるが結界が張られ、魔物の不可侵地帯が生まれる。

 今のヒケンの森には千人程のオニ族が居るが、主に4つの部族から成り立つ。


 火の属性の、赤オニ族

 水の属性の、青オニ族

 風の属性の、緑オニ族

 土の属性の、黄オニ族


 そして4つのオニ族を率いるのが、アシスの中でも唯一の光属性ソーギョクになり、ヒケンの森のオニ族の酒を神々の加護が得られるまでの御神酒に高めた。


 これが、ヒケンの森のオニ族の成り立ち。


 ちなみに、ソーショウは土属性、ソーサは水属性、ソーイは風属性になる。


「盾を持っているオニの角は黒く見えるが、何の属性になるんだ?」


「あれは闇属性の忌み子。名前は無いです」


「忌み子は何となく分かるが、何故名前が無いんだ?」


「アシスで名付けは、重要な意味があります。名付した者、された者の結び付きが強く発生します。親から名付けする事さえも拒否され、ソーギョク様がお引き取りになられました」


 ライは簡単に話していたが、名前を付けるのは想像以上に大きな意味がある。


「ソーギョクは、名付けしなかったのか?」


「残念ながらソーギョク様は光属性、闇属性とは相性が良くありません。名付けして闇属性のスキルを弱めてしまえば、生き抜くことにも関わりましょう」


「闇属性は何が出来るんだ?」


「あやつのスキルは重力操作。ゴブリンくらいの矢なら、届くことなく地面に落とせます」


「それで盾扱いしてるのか?」


「言い方が悪いですね。適材適所といって欲しいです。今回はソーキ様を助ける任務なので、特に護ることが求められます!」


「ゴブリンから助ける任務に適材適所なんてないだろ」


「実は、最近のゴブリンの様子に異変があります。出現地域が広がり、魔法を使うゴブリンが現れたり、今のように組織だった行動をするようになりました。現にソーキ様のお供の3人は失くなっております」


「こんな所で野営して大丈夫なのか?ゴブリンが戻ってくるかもしれないだろう?」


「我らは先発隊なので、本隊が来るまで待つだけで大丈夫です。それに、カショウ様も居られますし!」


「上手いこと利用された訳か。下手に出ても、なかなか食えないヤツなんだな」


「褒められたと受け取っておきます」


「巻き込まれたなら聞くが、ゴブリンに異変が起こっている原因は分かってるのか?」


「更に巻き込まれてもよろしいのならお話しますが?」


 そして俺の返事を待たずに、ソーショウは話を続ける。


「まだ調査中ですが、オニ族の村の結界は徐々に弱くなっています。原因はこの湖の水質悪化により御神酒が造れないことにあります。それに合わせて、ゴブリンに変化が起こっているので、何らかの関係はあると思われます」


「まだ原因は分かってないって事だな」


「それを調査するパーティーを編成していたのですが、ソーキ様が抜け駆けして行動されてしまいました」


“本隊が来たみたい”


 クオンが本隊の気配を探知する。


「後の話は、ソーギョク様が到着されてから、是非ともご一緒に」

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