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良い監督の条件

元プロ野球選手が高校野球の指導者になるためには、以前は教員経験が必要だったが、現在は指導者研修会を受けることで可能になった。プロ選手が引退後に、高校野球指導者となる間口が広がったことは確かだ。


「だからと言って、何故私に…」


成真女子高校と隣接する形で、成真学園の事務所があり、相沢はその一角の理事長室で笹原と対面していた。


「相沢さん、高校野球の指導者として大切なものは何だと思いますか?」


相沢は「野球に対する知識ですか?」と答えた。

だが、笹原は「違います」と否定する。


「確かに、知識は大切です。ですが、私は思うんです。どれだけ一流の選手であっても、一流の指導者になれるわけではありませんよね?」


相沢は自身の高校時代を思い出していた。相沢の高校の監督は、社会人野球の投手として日本一になった経歴を持つ監督だったが、指導者として優れていたかは大いに疑問だった。試合での駆け引きも的を射ておらず、練習中はただ大声で怒鳴るだけ。チームは県でベスト8以上の力を持っていたと相沢は感じていたが、一回戦敗退を繰り返した。


「確かに、それは言えます」


「チームがどれだけ力を持っていても、それを100パーセント出せなければいい監督とは言えないのです。だからこそ、レッドスターズを一つにまとめる原動力になったあなたに来て欲しかった」


「いや、私が原動力なんて…」


「いえ、ちゃんと聞いてるんです。慎吾から」


「慎吾?もしかして…」


笹原は笑みを浮かべて告げる。


「森国慎吾は私の甥なんですよ」


相沢はここでも驚いてしばらくの間動きを止めてしまった。

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