銃より装備より安全第一
あの会話から4ヶ月が経った
金の亡者は今日もバイトを終えて帰宅している
(疲れた...早く家に帰ろう)
自転車に乗る前に時間を確認する為に携帯を見る
すると画面には -新着メール 57件- と表示されていた
迷惑メールをサラサラと流して行くと、例の友人の名前 阿倍野の名前があった
[サバゲーいつ行く?]
(マジか、こいつ本気でやるつもりなのかよ!?)
全く本気と思ってなかった私は少し申し訳ない気持ちになった
それと、簡単に参加すると言ってしまった自分を少し呪った
それをふまえて...
[おうおう、すっかり忘れてたわ(笑)
銃とか服とかある程度揃えるわ〜]
と送信してしまった
これで後戻りは出来ない
(まぁ買って自分に合わなきゃ売ればいいだけだし、バイト代はまだ残ってるし...
明日は休みだからちょっと見てみるか)
自転車を漕ぎ出し、家路へと向かう
---翌日---
(ここか〜、意外に近くにあったのね)
前夜に携帯で調べた結果、バイト先から更に30分自転車を漕いだところに [ガンショップ ベトコン] があった
昭和チックな銀色の引き戸
錆がかった看板
何よりも意外に人通りが多いので入りづらい
ガラガラ...
「ありがとうござやしたー」
店から親子が出てきた
手には鉄砲の箱が収まっていた
何の銃かわからないが、とにかく閉まる前に店へ
「ぃらっしゃいやせー」
なんとか滑り込んだ
店の中はまるで武器庫
長い銃から拳銃、BB弾やなんかモーターみたいなのまで
小さな店の中には所狭しと物が陳列されていた
「なんだこりゃ...どいつもこいつもくそ高ぇ...」
予想していた値段は1〜2万、目の前の銃はその倍以上の値段だ
かと言って拳銃は心細い...
悩む悩む
「君は...サバゲーは初めてかな?」
後ろから声が降ってきた
振り向けどレジしかないが、しばらくするとレジ下からおじちゃんが出てきた
「えっ、あ、はい」
吃りながらも何とか会話をする
おじちゃんは持っていたBB弾の袋をレジ横に置くとこちらに近づいてきた
「そうかそうか、ではまず聞くが、君は18歳以上かね?」
「はい、2ヶ月前に18になりました」
「なら、大丈夫だね」
おじちゃんは腰に手を当て満足気であるようだ
年齢が関係あるのだろうか?
「エアガンにも年齢制限があるんだよ
大きく分けて10禁と18禁が存在する
言っちゃぁ、パワーの違いかな?
当然18禁の銃の方がパワーは強いけど、それに伴った年齢が必要なんだ
弾を飛ばす事が危ないって事を自覚出来る年齢じゃないとね?」
「まぁ、そうですね
ところで店員さん、自分初めてなんでこの際必要なもの教えてもらっていいですか?」
店内には他のお客はいないようなので、このおじちゃんに色々聞いておこうと思った
色々消極的だったが、やはり銃は男のロマンとは言ったものだ
僅かだが惹かれ始めていた
「おじちゃんでいいよ
それじゃぁ、サバゲーについて色々教えてあげよう」
おじちゃんは店内を歩き、あるものを取って来た
「まず、銃云々より説明しなければならない事がある
それはゴーグルだ」
小さな棚の上に色々並べ始めた
「サバゲーというのはBB弾を撃ち合う遊びだ
こんな小さな物が目に入ったらどうなると思う?」
「かなり...痛いと思います」
「はっはっは、それだけで済めば良いんだけどね
最悪失明する危険があるんだ
10禁だろうが18禁だろうが、銃を壁やサバゲーで撃つときは必ずつけなければならない
ゴーグル着用は義務!
それだけは覚えておいてくれ」
「あ、それとゴーグルと言えども水泳で使うようなゴーグルとかホームセンターで売ってるゴーグルでも強度が足りなくて意味が無いんだ
サバゲー対応のゴーグルをつけて参加してくれ」
「わかりました、じゃぁ…このゴーグルを買っておきます」
早速目を完全に覆うタイプのゴーグルを手にとる
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[サバゲーをやるなら、専用ゴーグルを必ずつけよう]