これってどういう告白だよ!?
「んで?どうやってチャンスを掴むの?そんなの無理じゃないかな?」
「何言ってんだよ。このチラシがあるから掴めるんだよ。チャンスが」
僕の友人――宮野武は無理だと主張する僕に胸を張ってずいっと僕の目の前にとあるチラシを見せつけた。
「? どういう意味?」
「そのままの意味だよ。書いてあるだろ?このチラシを持つだけでラッキーに成れるんだとよ」
「それって……悪徳商法も良いほうじゃないかな……?持ってるだけでラッキーに成れる訳がないよ」
僕の返答を聞いて武は首を横に振る。全く分かっていないな、とでも言うように。
「現に、俺が、掴んでんだよ!」
「……何処に?」
興奮しながら言う武に僕は少し押されさえしたが聞き返した。
「お前が今、俺の話をちゃんと聞いてくれていることだよ」
「な…………??」
武の行っている事が意味わからない、僕は今まで彼の話を聞いてないことは無い。それに、そんなことがチャンスだなんて馬鹿げていると思う。
「どうしたんだよ。鳩に豆鉄砲が当たったような顔して」
「あ……えっと……、聞くんだけどさっきのどういう意味?」
「どういうって……お前、何時も俺が話すとき下を向いて、曖昧な返事しかしないだろ?ちゃんとお前の声が聞きたいのに、うんとかそうだね。しか言わねぇし……。俺はお前の声が好きなんだよ、だから、ちゃんと俺の話を正面から受けて話せている。それが、俺にってのラッキーなんだ、まぁ、まだチャンスには立ち会ってないけどな」
武はそんなことを言うとすぐに笑って、お前も持ってみろ。と言って僕の手にそのチラシを握り締めさせると走ってじゃあ、また明日な!何て言って僕の目の前から消えていった。
「さっきの……どういう告白だよ……」
何故か僕の胸の奥が熱くなった。――この気持ちは一体何なのだろう……?