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vending machine

掲載日:2026/05/04

「この世のすべてを手に入れられる自販機があるらしい」

そんな話を聞いたことはあるだろうか。

数年前から界隈でささやかれていた都市伝説だ。

掲示板に寄せられていた情報は様々だった。

場所は新宿だとか、渋谷だとか、はたまたどこかの駅のホームだとか・・・

俺だってバカじゃないから、そんなものは信じなかった。

だが、その自販機が今、目の前にある。

TIMEと書かれたアルミ缶に

Fameのプリントのペットボトル。

料金はどれも一律170円だった。

俺はまだ信じていなかったが、

確かめる価値はあると思った。

どうせ170円なんだから、間違っていても笑い話にはなるだろう。

とりあえず、マネー1000と書かれたエナジードリンク?のようなものを

買ってみる。

硬貨を順番に入れ、紫に光ったボタンを押す。

『ガタン!』

出てきた。

俺は少しの期待を抱えながら、缶を開ける。

『プシュッ!』

そして、飲む。

こういうのは勢いだから、一気に。

「ぷはぁ」

飲んだ。一気に。

そして、普通だった。

対して変わらないごく普通のエナジードリンク。

(うそ。ちょっとまずかった)

「やっぱ違うか。」

そういいながら、ダメもとで財布を見る。

「1000円札が1枚、2枚・・・あれ?」

一枚多い。確実にだ。

3000円しか持ってなかったのに、4000円ある。旧札だ。(←新札にしてくれ)

やった。やったぞ!

俺は見つけてしまった。なんでも手に入る自販機。

これがあれば何でも手に入るんだ。

金も、女も、何もかもだ。

「いけない。ここで欲におぼれたら、絶対にめんどくさいことになる。」

そう言いながらも、答えはすでに決まっていた。

自販機に札を乱雑に入れ、ひたすらボタンを連打する。

しかし、

『ピー』

ボタンは赤くなり、商品は出てこない。

おしまいだ。

フィクションだと絶対罰が当たる奴だ。

「クソッ!どうしてわかってたのに・・・」

「どうかしました?」

その時、横から男が現れる。

そして、自販機を見るなり言った。

「在庫切れですねぇ。今補充するので、ちょっといいですか?」

そういって男は鍵を取り出すと、自販機を開け、

飲み物を補充しだした。

俺が唖然としているうちに、男は手際よく仕事を済ませ、

「あざしたー」

と言いながら台車を押して去っていった。

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