ルリの日記:3
アキノがようやく女神さまの御許へと参った。沙世さまは淋しそうにも喜んでいるようにも見えたけど、あの者の魂のためにはこれが一番いいのだ。いろいろやらかして厄介な幽霊だったが、沙世さまのよき遊び相手にはなったようで、よかったと思っている。
思えば、アキノがきっかけでメイパルも手に入ったし、珍しいウロメロメを味わうこともできた。しかしウロメロメを一切れ多くもらったら、沙世さまにしつこく追いかけまわされたのには閉口した。あれを私ほど上手に焼ける者はほかにいないのだから、沙世さまは私に譲るべきなのだ。
とにかく幽霊も片付いたし、ここまででかなり北上したので、そろそろ中部の城下町に向かってもいい頃あいだ。城下町は高級レストランからB級グルメまでそろっているので、楽しみで今から腹が鳴っている。何より素晴らしい宿の予約がとれて嬉しい。
その宿は、ティーダル島ナンバーワングルメ情報誌「グルグルンティーダ」の、「全国の食事の美味しい宿ランキング」で、5年連続1位を獲得しているのだ。高台にあって眺めもよく、内装も美しい宿なので沙世さまもきっと気に入ってくれるだろう。
しかし、美しい景色が見たいうえに美味しいものも食べたいなんて、人間のなんと欲深いことか。
欲深いと言えば、女神さまの夫にも困ったものだ。通信によれば、あの方はまた浮気しているらしい。男前の龍神なので、「女たちが勝手に寄ってくる」などと言っているが、あれもこれも手を出すクセはなんとかならないものか。
女神さまは自分で尻尾をつかんで懲らしめると言っているが、大丈夫だろうか?あの方はあの方で、感情に流されやすいのが心配だ。なにかトラブルでも起こさないといいが・・・。




