ルリの日記:2
先ほど女神さまとの通信を行い、ティーダル島で魚の不漁がみられることを報告した。これが気の流れが変わったせいで起きているなら、北の神殿へ急いだほうがいいと思う。しかし女神さまには、「その可能性はあるが、まだまだ深刻な事態にはならないから安心せよ」と言われた。
引き続き沙世さまが楽しめるようにお世話をしなさいということだったので、今後もツアコンに専念することにする。
今日はニャカラン島に貝を採りに、ではなく、沙世さまに珍しい花を見ていただきたくて訪問した。最奥の花のカーテンもそうだが、洞窟内の景色やオキンタマダラも珍しかったらしく、沙世さまはとても喜んでいたようだ。
ちなみに、オキンタマダラはマダラ模様を特徴にもつキンタの一種である。よく見ると体に透かしたようなマダラ模様が入っているのだ。なので、正式な名称はオ・キンタ・マダラである。
それにしても、洞窟でついでに採取した貝は最高に美味であった。
あの貝からとれる出汁は濃厚で、一口飲むだけで口のなか一杯に海の香りが広がるのだ。私の思った通り、手打ちの縮れ麺と相性が良く、香り高い海藻を入れたら専門店にも負けない逸品になった。
沙世さまにも気に入っていただけたらしく、思ったよりもたくさん召し上がられたのが計算外ではあったが。途中でつまらない拾い物をしてしまったため、十分な量の貝を集められなかったのが無念である。おかげで私の食べるぶんが減ってしまった。
アレが沙世さまの周りをウロウロしているのには早い段階で気づいていたのだ。しかし、たかが幽霊とあなどってしまった。さっさと始末しておけばよかったのに、大失態である。アレのせいで貝拾いを中断させられてしまったのだ。腹が立って仕方ない。
だが、アレの村がテュルリ村だと聞いて少々気が変わった。あそこは田舎の小さな村だが、果物の産地で有名だ。きっとあそこでしか食べられない珍しい果物があるに違いない。フラペェの発祥の地でもあるので楽しみだ。
沙世さまもテュルリ村にさっそく行きたがったので、すぐに出発することにした。今は確かミロンロンやパヤパヤが最盛期のはずだ。旬を逃す手はない。




