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[6]正義の国へいざ!

私はまず北の《正義の国》から見学することにした。約2週間滞在することになった。そして見て感じたことをノートにまとめると良いとイリヤからノートとペンをもらった


「それでは行ってきます。お世話になりました」


「ああ、行って良く学ぶと良いよ。行ってらっしゃい」


アレイ様は微笑んで手を軽く振った


「しばらく会えないのかぁ。だが少しでも成長したソフィーをみられるのなら満足かな。気をつけて行ってらっしゃい」


イリヤは私に小さな箱を渡してから手を振ってくれた


「あまり無理をしてはならないからね。護符を沢山作っておけば良かったかな。うぅ、気をつけてね」


華來が大きな箱を渡しながらいう。


(お、重い……)


「全く心配性すぎ……」


と言いながらリードが私の手から大きな箱を代わりに持ってくれる


「あ、ありがとう」


「………」


「ソフィー気をつけてね。」


ルーファは短い言葉だったがそれ以上のモノが伝わる


「はい。ありがとうございます」


「お姉ちゃん。またね!待ってるから!」


「えぇ、もちろんよ」


ヒルはしばらくイリヤが預かることになった。その間に力の制御をするために


「それじゃ、そろそろ行くぞ」


「うん」


皆に手を振って別れをした

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

《馬車の中にて》

窓辺に頬杖をついて外を眺めるリードをチラリとみてから手元の小さな箱を見つめる


(これは何かな)


「開けないのか?」


「え?」


「さっきから俺の事と箱をチラチラ見てるし」


「あ……」


「ソフィーが貰ったものだろ?俺の許可なんて要らない」


そう素っ気なく窓辺を見ながら言う


私は小さな箱を開けるてみることにした

白いこじんまりとした箱にリボンがかけられている

私はリボンを外して中身を見てみることにした


(これは指輪だわ)


取り出して太陽の光に当ててみるとバッと手に持っていたものが無くなっていた


「リード?」


「あいつ、、、なんてもん渡してやがんだ!」


苛立ったようにリングの部分を摘んで見ていると私に返して来た


「なんで指輪なのかしら、、、ん?手紙がはいってる」


すると真っ先に箱から手紙がなくなっていた

そしてみるみるリードの顔が険しくなるのが分かる


「ええとなんと書いてあったのかしら?……」


すると自分で見ろとでも言うように渡される


『ソフィーへ、その指輪には少しばかり魔法をかけてあるものなんだ。それはいつか分かるから今はあえて言わないよ。そしてこの指輪は左の薬指は早いからまずは右の人差し指につけておいてね。イリヤより』


私はそれを読んで早速右の人差し指に付けることにした


「ま、待て!本気で付けるのか!?」


「えっと、ダメなことでもあるの?」


「まぁ、いい。まだ右の人差し指だからな」


私は右の手を軽くかかげてみた


「綺麗……こういうの貰ったのはウエルのこの宝石以外では初めてだわ。こういうものは私みたいなモノがつけていいとは思わなかったから」


するとほっぺをむにっとつままれた


「自分を卑下するな。ソフィーにはソフィーの価値がある。少なくとも俺はそう思っている」


(私には私の価値がある……。自信もっていいのかな)


「自分の事を救えるのは自分だけ。そう頭の隅に置いておけ」


ぶっきらぼうに言うがちゃんと私には伝わった。


(それにしても…………)


(その大きい箱の中身が気になる!あの人何渡してきたのあんな重いもの)


私が熱視線を送っているのを分かったのかリードが箱の蓋を開ける


(何この文字が羅列された紙)


「心配性のあの人の事だからと思ったけどこんなに作っていたとは……」


「これ、本で読んだことあるわ。悪霊を封印するやつよね!」


私は1枚手に取って興奮気味に言ってみる


「残念。これは護符だよ。守りの札確かに見た目は近しいけど使ってる素材が違うからね」


「護符……素材」


「そこら辺はあの人に聞いて、俺は専門外だから」


「分かった。でもこれどうやって効果発動されるの?」


その瞬間刃が私の首をはねる


(え?)


が私には何も起こってない。首を触っても痛くもなかった


すると1枚の紙がひらりと落ちた


「これで分かった?」


「な、なにをしたの、?、」


「ソフィーの首を切った」


「っ!」


私の手には綺麗に真っ二つに切れた切れ端が残る


「効果分かっただろ?本職の人が作るのとそうじゃない人が作るとバラつきがあるんだけど、華來さんのはちゃんとしてるね。ちゃんと護符として機能してる」


良かった良かったといいながら護符のたくさん入った箱を閉める


「効果を見せるために私を殺そうとしたの!?」


「流石に本物の剣とかだと危ないから手刀でやったんだけど、万が一の事も兼ねて、ね」


「手刀の速さじゃなかったわ」


心臓がドクドクと脈打つのが速い


「それにこの護符100%身代わりになるから本体は死にはしない。でもこの国より華來さんの国の方で必要な気がする」


「北の国より危ないの?」


「危ないというかやんちゃな奴が多いというか、向こうは妖とかの地になるから、こっちの話なんか聞きやしない。特に子供の妖怪とかはとてつもなくめんどくさい」


ま、そんなことよりと行ってリードは扉をノックして御者と軽く話すと馬車が止まった


「ちょっとお客さんが来たみたいだから相手をしてくるからソフィーは待ってて」


不敵に笑いながら馬車を降りるリードを私は見送る


ー数分ー


(待っててと言われただけで出るなとは言われてないから少し見てみるのは良いよね)


私は馬車のドアノブに手をかけゆっくりとあける


辺りは静けさが残っている。


(誰も居ない……?)


足を地につけて馬車を降り、周りをみた。


(御者の人も居ない……みんなどこいったんだろ、それにウエルの反応もない)


心配が募るなか私は馬車に戻ろうと後ろを振り返ると馬車に寄りかかってこちらを見ているリードと目が合う


「待っててって言ったよな?」


「お客さんというのが気になって出てきちゃいました」


「全く、まぁいいが、お前何か違和感を感じないか?」


「違和感……あ、ウエルの気配がしなくて、それに御者の人も居ない。周りに何の気配も感じない」


ゴミを片付けていたら術にかかった。めんどくさいな」


「これはなんの術なの?」


「簡単に言えば異空間に連れ去られた感じ」


「出口とかないの?」


「分からない。無ければ一生このままだけど」


「何とかならないのかな。ウエルとも繋がりを切られちゃったし、それにいつから術にかかっていたんだろう」


「少なくとも指輪の話してただろ。そこからだと思う」


「でも、馬車出る前はそんなこと……」


私はハッとする。


「その時に術にかかっちゃったってこと?お客さんも全て仕組まれてた?」


「ご名答。でも相手は想定外が1つ、俺が術にがかったと共にお前もかかってしまった。犯人は俺に恨みがありそうだな。御者は多分無事だろうけど突然いなくなった俺らに困惑だろうしな」


「でもリードはそういうの詳しいの?」


「どんな術か分かれば内側から破壊する方法の手立てもあるが、妖術か魔法かあるいは魔術で方法が変わってくる」


「う〜ん。探知とか出来たら話しは早いんだけど」


「とりあえず馬車に入ってここよりは安全だろう」


(ん?何かおかしいわ。どうして私たちが飛ばされたのに馬車まで残っているの?空間をこのまま切り取った感じなのかしら?それに……)


「何してる。早く入るといいそれにお前は格好の的だから」


(少し試してみよう)


「ねぇ、リード手貸してくれない?」


「手?」


リードは手を差し出した。その手に私は自分の手を合わせる


(っ!やっぱり!)


「私は咄嗟に後ろへと距離を取った」


「どうしたんだよお前。急に距離なんて取って」


「近づかないでっ!」


キッと睨みつけるとリードは呆れながら私の元へと歩み寄る


「来ないで!これ以上は私も対抗するわ」


魔法で攻撃する


「こんな事しても意味ないよ?忘れた?俺が強いこと」


魔法で攻撃をしても跳ね返されてしまう。徐々に距離が縮まる


「あなた!リードじゃないわ!だからこれ以上近寄らないでちょうだい!」


ガキンッ/


(急に距離を詰めてきた?!危なかった剣が無かったら)


「騙せると思ったのに……完璧に擬態出来たと思ったのになぁ」


リードの形をしたものは徐々に形を変え本来の姿をさらけ出した


「っ!」


(私と同じ魔族だけど友好的では無さそう…)


「お前の妹に宿っているセルフィートはどうだ?我が直々に選んだも同然の最凶を授けてやったのだから。それでお前の国を滅亡させようとした計画が…………あの統括者にバレて計画は白紙になったっ!!それにセルフィートを糧とさせる者まで現れて我は今怒りに満ちておるのだ。お前は良いものを持っておるが、

あぁ、仲間を傷付けられ無力な己にひれ伏すお前を見たかったが気が変わった。その目先程から見ているがどうもイラつかせるのを得意とするらしい。まずはお前から殺し、あの統括者に見せつけるのが先か」


私は目の前が真っ赤になるような怒りに駆られた


「私のヒルにセルフィートを宿らせたのはお前だったのか……!!悪魔召喚の儀式は王家と魔族のみ知る。そして直接宿したと言ったな。お前は魔王『クルセヴィア』だな!あの子が苦しむのを私はずっと見てきた!!お前のようなものは私が全て滅する!前の私と今の私を勘違いするな!」


「お前……我の力量を見て言うておるのか?フッ面白い。今までとない苦痛をお前にやろう」


『古より生きる神、白蛇ウエルの権能を今此処に!《アストラル・セラフィック・ジャッジメント》!!』


「懐かしい技名よ。だが我には気かな」


ボト


魔王の片腕が地面に落ちた


「なっ!貴様!何をした!!我には光属性の魔法は効かぬのだぞ」


「核を狙ったのに失敗した…次は外さない。それに忘れたの?私も魔族だよ」


再生する前に何度も切りつけてかかった。

それでもクルセヴィアは魔王という各位の上なだけありソフィーはだんだん押されていった


「くっ!……」


片膝をつきクルセヴィアを見据える


「威勢は良いがここまでの様だな」


クルセヴィアは手をかざす


ミシミシミシ………バリンッ/


私たちは何事かと音のした上方を見る


「待たせたな。ソフィー!」


「リードっ!!」


見えない速度で斬撃を浴びせるリードが私の元に下がり私を庇う様に戦闘態勢に入った


「貴様、貴様はあの時の統括者か、お前とて我に歯向かうとはこの程度の攻撃では効かぬ。あの時の復讐をする手間をわざわざ省いてこちらに来てくれるとは、フハハハ良いとても良いぞ。塵が増えたとて我の敵ではないのだから」


「俺は1人で来た。なんて一言も言ってないんだけど」


すると胸元の宝石がパァと光りウエルが姿を現す


「我の契約者が世話になったようじゃな。それを返す時が来たようじゃな」


「かつての神が我に勝てるとでも?我はこれまでに沢山の魔力を溜めてきたのだ。そして時は来た。これは貴様らを葬るのに丁度いい。さあ味わうといい《死への入口デス・イントラクション・ゲート》」


(私じゃこれを避ける力は残ってない。どうか2人だけでも!あぁ、ダメだわ)


私は目を瞑った…………が何も起こらない

そっと目を開ける


「ふ〜ん。こんなもん?よっわ」


リードがクルセヴィアの攻撃を手から吸収していった


「何故だ!?ただの人間に我のユニーク魔法が効かないだと!ふざけるな!!ふざけるなア゛ア゛ア゛ア゛ア」


次の攻撃へ入るクルセヴィアよりも早くリードが動き核となる部分を剣で突き刺した


「グハァッ!!!貴様達になど負けてなるものか!人間たる塵に負ける訳には」


八つ裂きに切り落とされるクルセヴィア


「うるさい口だなぁ。負けみとめたら。みっともない」


「リード気をつけるのじゃ。核を破壊しても生きておる」


するとクルセヴィアの腹から別の個体がぬるっと出てきた


「これはこれは、私の護体ごたいをこのようにしてくれてタダで済むと思いますか?あぁ、忌々しい統括者に古の神に忌み子…………ふむ、護体への養分は十二分にある」


ぶつぶつと言いながらクルセヴィアの身体から出てきた別の個体はクルセヴィアとは全く背格好も違うものだった


「お主が本物の魔王じゃな。クルセヴィア」


「古の神ウエル貴様には何もすることは出来ない。信仰のない神に力が残ってるとは思えないです。本来の姿ももう持たないのではないでしょうか?こんな忌み子と契約したところで貰えるものは少しの魔力でしょう?無様な姿を晒す前に我に権能を与えてから苦しませず殺してあげますよ」


「フンッお主の様な凡庸な魔王に渡す権能はない」


(う、もうこの体制を保っていられない)


『ソフィーよ。我の中に入ると良い。我の中で休むと良い魔力切れになる前に』


(えぇ、そうするわ)


私は体をウエルに託した

ーーーーーーーーーーー

ソフィーの体を取り込みウエルはソフィーに似た擬態となった

その姿はソフィーを反対色にしたようなものだった


「人の姿は久しい。力を存分に使える」


「ソフィーの色違いみたい」


「似てると紛らわしいかと思ってな」


「さっさと片付けちゃお。早く寝かせてあげないと。俺に付いてきてくださいよ」


「分かっておる」


リードは銃を取り出しウエルは自身の力から生み出した剣を虚空から出した。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「《彼岸冥兆ひがんめいちょう》」


剣を地面に刺す


(なんだこれは……)


虚空な世界に月が移り足元には彼岸花が流れてきた


ゴゴゴゴゴゴゴ/


音のしたほうを見ると石畳がひかれ奥には鳥居が立っていた


「あの蛇神め。まだ力を隠していたとは、フハハハ面白いものよあの小娘じゃ我を楽しませる事に少々足りなかった余興といこうではないか!」


クルセヴィアは自身から罠にかかるように石畳の上を歩き鳥居を潜ると同時に鳥居自体を破壊し彼岸冥兆の術を破った


「この程度で我を殺れると思うな愚物共よ!《金死■蜘蛛ノスパイダーデストロイ》」


(全てのものに金糸を張ったのか、こちらの動きを絞るためか)


リードは試しに金糸に触れると手袋越しに触ると簡単に破れ指から血が流れた


(しかも毒入り……悪趣味だなぁ)


けれどそんなものに怯む訳もなく指を鳴らす


パチン/


ハラリと金糸が切れ地面に落ちる


こんなものかと思っているとクルセヴィアがこちらに向かって刃を向けて斬りかかってくるところでウエルが守ってくれる


「リードよ。お主は強いがもう少し危機感を持つのじゃ。その心配はいらなくともその毒回りは早いぞ」


「そうですね。けど」


「何を悠長に話しているのだ。まだ盛り上がらない!本気でかかって来い!」


クルセヴィアの魔法と斬撃を避ける


「クルセヴィアお前はまだ本気を出して居ないのに俺に本気で戦えって?言葉と行動には順番があるんだよ、全くこんな斬り技で俺にかすりするとでも?」


クルセヴィアは地面を蹴りリードから距離を取った


「魔法にも長けていない貴様にわざわざ合わせてやったものをこうも無下にしてしまうとは」


魔力から構成した剣を更に増やし自身に纏わせる様だ

そして魔力の玉を生成しこちら側に全てをぶつけるつもりらしい


「ウエル!時間を少し稼いで貰えるか」


「いくら稼げば良いのだ?」


「15秒!そうすればクルセヴィアを殺す事が出来る!」


「分かった。我が刀を抜刀した時が開始じゃ!」


といい虚空から真っ黒な鞘に入れられた刀を取り出す


「任せたよ」


ウエルのいる場所から少し離れて銃を切り替える


「雑魚が調子に乗ったところで無駄よのう!この技で生き残ったものは居ないのだからなッッ!《万死壊滅ベリアル・アベルカイン》!!!」


光の速度で猛攻を仕掛けてきた瞬間にウエルは刀を引き抜く

辺りが暗くなり鞘から引き抜かれた刀は真っ赤に染まりウエル自身の姿も変わっていた。


が、攻撃が止まることを知らぬようにウエルに噛み付く様に襲いかかる


「■■■■■」


「死ねぇぇぇぇ!!!」


だが抜刀された刀にクルセヴィアの攻撃は全て切り裂かれてしまう

そしてクルセヴィアに瞬時に近づき躊躇なくリードは銃口の引き金を引く


パーンッ!!/

…………………… バタ/


「核は破壊した。ソフィーが教えてくれなかったらもう少し耐久戦になっていたかもな」


銃をしまいながら剣を引き抜きクルセヴィアの首を飛ばした


「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


そう叫ぶクルセヴィアの体は朽ちて塵となり風に飛ばされなくなった

それと同時に空間結界も壊れる


リードは空を見てから剣に付いた血を払ってしまう


そして振り返ると刀を地に刺し片膝をつきそのまま動かなくなっているウエルがいた


急いで駆け寄るとウエルは蛇の姿に戻ってリードに差し伸べられた手に乗り首に巻きついた


「リード手間をかけさせるがその刀を鞘に収めてはくれぬか?そのままだとこの地の養分を吸って強力な血刀となってしまう」


言われた通りに刀を鞘にしまうと同時に虚空に消えていった


「少しはソフィーの想いに報いたのかな」


拳を握りしめそう呟くとウエルはそうじゃなと静かに言った


「そういえばあの戦いでの刀を抜刀した時の姿あれは」


「あの姿こそ我のホントの姿じゃ。剣神としての」


「ウエルって女性なのか?」


「剣神の時は女性としてやっていたが、神は性別など自由に変えられる。好きなようにな、近い者が傍におるだろうアレイ・セアフィーアがそうじゃ」


「あの方か……」


「それよりじゃ!毒はどうなった体の具合はどうなのじゃ!」


「魔力で混ぜる感じでやったら毒は消えた。心配はいらないよ」


すると遠くから御者が馬車を走らせて寄ってきたので簡単に事情を話すと戻るか聞かれたが戻らないことを選択した

そして御者は通信機を用意する


「通信機を用意したのでこれで会話出来るはずです」


「感謝する」


ピピピピピピ/


『通信がとれて良かったよ。そして魔王討伐ご苦労だったリードだが祝っている場合ではないのは分かっていると思う』


『ええ、クルセヴィアという魔王の統治下に居た魔物は主を失い混乱しつつある。しかもクルセヴィアは近いうちに世界に戦争を仕掛けるつもりだったんだろうね。魔物の卵がそこら中にある』


『偵察に行かせたが随分と早いじゃないか華來。そのまま調査を頼むよ』


『で、これからどうしますか?アレイ様』


『んー。私としては放置はしておけないし。そして各地の国々も動き出している。アイツの存在はいい意味でも悪い意味でも情勢をいい塩梅に保っていたからね』


「それと放っておけない魔王連合に喧嘩売ったも当然になる。向こうから手を出したくせに」


チッと舌打ちをするリード


『魔王連合の間柄でもクルセヴィアは単独行動が目立っていましたからそこはあまり問題ないかと』


『クルセヴィアが居なくなって吉とかすか、凶とかすか』


『他の魔王はまだ言葉が通じるだろうからね。私としては揉めたくもないし民を危険にさらす訳にもいけない』


「全魔王殺しちゃえばいいんじゃないか」


『それが正義の国のトップの言うことか……。でも簡単にはいかないのが現状だよ。とりあえず落ち着きなよリード』


「……!待って、そっちに敵対反応はないけど何かが近づいている」


『なるほどね。魔王様直々に来てくれた様だよ。私が相手をして来るから皆は大人しく待っているんだよ』


「あ、アレイ様達の通信が切れた」


「うむ、少し心配じゃのう。どの魔王かは見えなかったか?」


「音速超えてたから視覚出来なかった」


くあぁと伸びをしてから胸元のポケットから時間を確認する


「とりあえず疲れたから寝るよ」


「そうじゃの……」

…………………………………………………………

《中央の国 屋敷にて》


「さぁ、そろそろかな」


アレイは空を見上げる


「ピクニック日和だね」


ズドオーンツツ!!


「派手な登場だね。魔王イルゼータ

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