騎士の誕生と丹生
勝手に人の名前を晒すなよ。「すまない。」
てかいつだよ。「前から気になってる奴がいるとこいつに言っていた。」
どんな風に気になるのか知りたかったが,聞くのも面倒だった。
「そんなことは置いといて,次の段階だ。あ,そういえば段も階も“きざはし”と読むらしい。漢字ってむずいよなぁ。」話の切り替えが早いな。
「とにかく,2日後またここに来い。めんどくさいから作業は明日やる。」
俺は“私立英界学園”の中等部に通っている。今日は課題が割と多く出ていた。
課題の一つを見てみる。出たお題に答えるやつだ。お題は「あなたの正義は?」だった。今世界中の中学,高校を対象に行われているものらしい。期限は来月末なので,後回しにした。今日の課題を終わらせる。
学校に通学。今思えば意味が重複しているな。下駄箱付近に着いた。自分の棚にある靴を取る。片方を履くと,爆発した。は?頭がついていかなかった。痛みは微かだったが,つま先の皮が破け,爪も一部剥がれている。自分の物のくせに,みるからに痛々しかった。いつものいじめか?だとしたらいつもと手口が違う。ふと玄関を見ると,学が来ていた。