成り損ないの飛車と駄菓子屋
龍と駄菓子屋おじさんの会話はくだらないし面白くないことも多いです。なぜなら僕があまり面白い人ではないからです。
そういえばお前のクラスは何なんだ?
「1-Bだ。」ふーん「おい,聞いといてその反応か?」
おい,とか言うなよ。俺はきゅうりじゃないぞ。「お前,意外と大丈夫じゃないか?何で自殺なんて」
と言いかけ,学は途中でやめた。それが目的地に着いたからか,聞いても何も生まれないことに気づいたのからかはわからない。
そこは,駄菓子屋の前だった。店名は「隠者の友」だった。何だか駄菓子屋らしくない店名だなと言うと,
「その名の通り,隠者の友だからな。」となると,お前も隠者なんだな。可哀想な奴め。「お前に言われたくない」痛いところを突くな。
駄菓子屋の中に入ると,無精髭が妙に似合う男がいた。男は少し驚いた顔をして,すぐに薄ら笑いを浮かべた。「きたな悪子供。」
「悪ガキじゃなくてか?」「ああ。餓鬼と言うのは人間に対して失礼だからな。あとさりげなく悪口言ったのに気づかなかったんだな。」“きたな”というのは“来たな”ではなく“汚”の方だったんだな?「お,気づいたか。よく聞いてたな。」
なぜかこの男に褒められると嬉しくなった。
「お前たちでくだらないし面白くもない流れを作るな。」しょうがなく,俺は口を閉じた。
「さてと,お前が来たってことは次だな。」
次?「このめんどくさいおじさんは物事を勝手に順序立てて当事者の知らない所でステップを決めるきらいがあるんだ。」めんどくさいやつだな。
「龍に言われたくないな」何で俺の名前を?「学から聞いた。」なるほどな?
学を睨むと,目を合わすまいと努力している最中だった。