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03,

 あれから太陽が沈み空が真っ暗闇になるまで、何度もアクセサリーを浮かべては動かしを繰り返した。

 何度も何度もやっていくうちにミスは減った。

 そして、いくつか気付いたこともある。


 一つ目はいくら物を持ち上げても動かしても一切疲れないこと。どれだけやっても汗ひとつ出なかった。


 二つ目、宙に浮かせた物は触れる事ができる。

 一度宙に浮いた状態の物を触れようとした事がある。

 そして、触れてみたところ透けることもなく触れてしまった。

 そして自分の手で動かす事も可能だった。


 三つ目、物が青く光る時はわたくしが命じた時のみ。

 これは当たり前。何もしていない時に突然光出したら怖いものね。

 ちなみに、物に触れるのは物が青く光っている時のみ。

 物に『浮かびなさい』と命令し、青く光り出し浮かんだところで命令を解くと光は消え落ちていく。それをすかさずキャッチしようとしても手が透けてしまい物をキャッチする事はできなかった。

 これは結構重要な情報かもしれない。



 今日分かったこれらを駆使して殿下とオリビア嬢を早速くっつけましょう!


 そうとなったらまずは壁をすり抜け、ドレスルームに移りそこに隠してあった金庫を取り出す。

『金庫よ私の目の前に出てきなさい』

 と命令したらドレスを押しのけ出てきた。


 この金庫にはこの国の権力者全員の秘密が隠されている。

 殿下の婚約者になってからというもの、少しでも殿下の為に、国の為になろうと権力者達のプロフィールと不正や恥ずかし秘密を収集していたのよね。

 今まではあまり使う時が無かったからほぼ触らなかったのだけれど、今ようやくこれを使う時が来た。


 確か殿下とオリビア嬢、それに両者のご友人の物も揃えてあったはず。


『扉よ開きなさい』


 いつもなら命じたら直ぐに動いていたのに、今回は青く光っただけでピクリとも動かない。

 やっぱり暗証番号は自分で入力しないと駄目なのね。

 仕方がないわ。

 適当に46573と自分の手で入力し、扉を開けた。


 扉を開けると視界に入ってくるのは、中いっぱいに詰められた紙。

 良かった。まだ誰にも手をつけられてなかった。

 もし誰かがコレに手をつけていたらどうしようかと思ってしまいましたわ。もしそうなったら国が崩壊してしまいますからね。


 えーと、殿下達のはどれだ〜。

 殿下達の事が書かれた紙を取り出し、目を通す。


 あんまりめぼしい物は書かれていなかった。

 そうよね、まだ17の子供だものね、色々書かれていたら逆に怖いわね。

 どれもこれも、黒魔術にハマっているだとか、SM娼館に通っているだとか、毒薬生成にハマっているだとか、泥沼不倫だとか。


 どれも今回の事には使えそうに無いわね。

 残念だけれどこれは金庫にもう少し寝かしておきましょう。


 どうしましょう、これを一番に頼りにしていたところがあるから、これが使えないとなったらもう、アレしか頼るものが無いわね。

 あまり、アレは使いたくなかったのだけれど、仕方がないわ。



 金庫を元の場所に戻してから、ドレスルームを出て、部屋へと戻った。

 そして、ベッドの下にある大き目のケースを取り出し、ソッと当たりを見回し、誰もいないのを確認してから蓋を開ける。


 そのケースの中には隙間なく恋愛小説や恋愛物の絵本が入っている。

 現実の世界と本の中の世界を混同してはいけないと分かっている。

 そんなこと分かってるわ!

 だけれども、恋愛偏差値三十のわたくしにはもう頼れるのがこれしかないの!


 頭の中で誰に弁明するわけでも無いけれど、弁明してから本を一冊取り出し、恋愛の勉強を始めた。



『あらあらあらあら!』

 もうそんな事をしてしまうの!まだ早いのではなくて?


『やだやだやだやだ!』

 そんなもう こ、恋人繋だなんて!


『キャーーーーー!』

 ダメよ!人が来てしまうではないの!廊下で壁ドンだなんて!誰かに見られてしまってはどうするの!?


『ワッーーーーー!』

 もう耐えられないわ!な、な、な、なんでお付き合いをする前にき、キスなんて///



 顔から湯気が出始めてしまったので本を閉じた。

 やはりコレを読むにはわたくしは少々早かったかも知れませんわ。

 侍女が渡してきて仕方なーーく持っておいただけだもの。

 わたくしが選んで持っていた訳ではありませんもの!

 まぁ、確かに、恋愛物は好きですが、これは大人向けだと思いますの。

 渡してきた侍女はまだ私よりも歳の低い未成年だというのに、こんな物を持っていて!仕方ないからあの子が成人するまでは主人であるこのわたくしが持っておかないといけませんわね!


 そっと元の場所に戻してから他の本を取り出した。

 今度はちゃんとした未成年向けの絵本を。


 絵本はちゃんとした未成年向けの本ということもあり、ちゃんと最後まで読めた。


 先程までは、現実世界と本の世界を混同してはいけないと考えておりましたが、こうして見てみると案外現実の世界でも使えそうな物はあるのですのね。


 よし!これからはこれらを使って殿下とオリビア嬢の仲を縮めていきましょう!


 さぁ!早速準備に取り掛かるとしましょう!



もしよろしければ評価や感想よろしくお願いします┏○┓

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