ついてきた
昨日修学旅行から帰ってきて直ぐにデジカメで撮りまくった写真のデータをプリントした。
今、学校の近くにあるスーパーの中のファーストフード店に仲の良い友人を集めプリントした写真を見せている。
「欲しい写真があったら裏に名前を書いてくれ、プリントしてくるから」
「じゃ、月曜に受け取れるんだな」
「みんなはそうだけどお前は明日渡せる、取りに来いよ」
「オウ」
近所に住む幼馴染みと話している俺に、他の友人が手に持っている写真を突きつけながら話しかけてきた。
「ナアナア、この子誰だ?」
突きつけられた写真を見て首を傾げる。
「そんな可愛い女の子撮った覚えは無いぞ」
「でも写っているじゃん」
デジカメのデータを見ながら確かめるがやっぱり写って無い。
「お前らも見ろ、写って無いのが分かるから」
デジカメを覗き込む友人達に1枚ずつ見せていく。
「ほんとだ、写って無いな」
「あれ、でも、5~6枚前の写真、背景が同じじゃないか?」
5~6枚前?
「これか?」
「それそれ」
指摘されて思い出した。
「あ! そうだ思い出した。
女の子の声で、私も撮って、って声がして、反射的にシャッターを押しちゃた写真だ。
でも不思議な事に、シャッター押したあと周りを見渡したら女の子なんて何処にもいなかったんだ」
「じゃ、何か、この写真、心霊写真なのか?」
その声に他の写真を見ていた奴等までその写真を覗き込んだ。
「可愛い女の子だけど、幽霊なのか?」
「ヤバいよ、お祓いしてもらってこいよ」
「オイ! お前らもあそこを見てみろ」
心霊写真らしい写真を見たあと何かに気がつき、ファーストフード店の窓の外に目をやった友人がワイワイ騒いでいる俺達に声を掛けて来る。
「「「「「何だ?」」」」」
「あそこ、道の向こうの電柱の側に立っている女の子、その写真に写っている女の子にそっくりじゃないか?」
「おんなじ女の子だな」
「ほんとだ」
「憑いてきたんだな」
「ヤバいんじゃね?」
「……………………」