第一話 序
カッカッカッ
コツ
シュッシュ
一人暗い部屋で赤本に向かう。
午前2時
担任の高橋先生は必ず試験前日は最低12時には寝ろと言っていたがそんなの関係ない
とにかく不安を打ち消すために
手を動かす。
カキカキ
カキカキ
そして叫ぶ
「S大学いきてー」
S大学は超人気大学。
首都のど真ん中にあり。
遊ぶところがいっぱい。
田舎者の自分にとって、S大は桃源郷だった…
おっと違う!違う!
学生の本分は勉強一本。
この大学選びは自分の将来をしっかり考えて先生と決めたことだ。何を考えているんだ自分。田舎で待っててくれている両親だってブツブツ…
自問自答はきりがない。
気分転換にシャワーを浴びることにした。
泊まっているホテルは大学に近いし安い。
ただしボロボロ。
シャワーの温度調整も恐ろしく難しい。
熱湯、冷水、熱湯、冷水。
二月そして貧弱な受験生の体には酷だ。
なんとか適温を探しだしゆっくり疲れた体をいやす
「ふー」
つかの間の休息。
ガチャ
ここでシャワーの音とは異なる音が。
体が一気に硬直する。
緊張。
扉の開く音?
そういえば、鍵閉めたっけ?
この安ボロホテルは当然オートロックではない…。
辺りを見回す、武器になるものは…
何もなかった。
本当に何もなかった。
強盗が武器を持っていたらどうしようもないな。
覚悟を決めてシャワー室の扉を開けた…
驚愕。
泥棒、強盗のたぐいならまだ理解の範疇。
まさに戦慄の光景がそこには広がっていた。
暗い小さな部屋、今夜自分が一人眠るはずのベットの上に同い年または年下とおもえるくらいの女の子が座っていたのだ。
自分はシャワー室の前に立ちつくし、後ろに下がりその場に力なくしりもちをついてしまった。
彼女はゆっくりたち上がり一歩一歩近いてくる。
僕は目が悪いため彼女の姿をはっきりとは見ることはできなかった。
「松本純君だね。」
「どっどうして僕の名前を…?」
やばい質問がぶっとんでやがるここは
『お前は誰だ 出ていけ!』だろ…
腰をかがめ、ぼくにほおをくっつけるようにしてしゃべりかけてくる彼女は背は少し小さいが髪体のラインは最高だ。
こんなの雑誌の表紙とかでしか…
!!
ていうか、タオルしか巻いてない。
途端に自身の下半身の異変に気づく。
自分の好みど真ん中の女の子が半裸で自分の横にいるのだ無理はない。
反りかえっていた。
自分の知る限り過去最高。シャワーから出て、自分も腰にタオル一枚だったからやばいくらいよくわかる…
甘酸っぱい声が耳元で囁きかける。
「興奮してる?」
やばいやばい。
動悸がどんどんはやくなる…こいつ誘ってんのか。金がいるのか?間違えて風俗のホテルにしたか?田舎者にたいする都会のもてなしかたか?それとも親の粋なはからいか?
感覚が麻痺していくこれはやばい
また甘酸っぱい声が…
「もっとかな?」
彼女がタオルに手をかけようとした…
「うわぁぁぁぁ」
ビュー
鼻血、そして、気を失った。
ゴメン親。先生。友達。自分。
ぼくには刺激がつよすぎた。
鼻血男。松本純は極めて女に抗力がないことがわかった。
微笑み
そして彼女は男のタオルをはがした。
「これは…」
次の日の朝
ベットの上で目が覚めた。
だが昨晩のことは夢だったようだ。
部屋は別に変わった様子はない。
少し残念で、大変安堵した。
「まぁ、いいか。」
気持ちもなんかすっきりし試験にそのまま突入したぼくは合格を勝ちとった。
ただし、大学入試はゴールではなくスタートというがその通りだった。
ぼくは試験前夜の美少女との時間を甘く見ていた。
正確にはただ忘れていたのだか。
ここまではは序章に過ぎない。本当に。
先には
僕が彼女たちに巻き混まれたはちゃめちゃな大学生活が待っていたのだ…。
ガサガサ
合格通知の後ろになにか…
<THK部入部試験合格>
T.M
純「これは…何?」