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TACT  作者: 櫻田創真
2/5

ランキング

「さて、ではまず自己紹介からしましょうか。私はこの1年A組担任の倉田響子です。よろしくお願いします。それでは、順番に自己紹介してもらいましょう」

かなり若手の先生だ。まあこちらにとっては都合がいいが、正直誰かと親しくする必要がないから名前など覚える必要もないだろう。そろそろ俺の順番か・・

「では次、羽島君お願いします。」

「はい、羽島悠斗です。よろしくお願いします。」

「う〜わそっけな!」「あれで終わり〜?」「恥ずかしがり屋なのかな?」

いろいろ言われてるが、まあいいだろう。おっ、あいつの自己紹介は聞いておかないとな。まあ大した情報はないだろうが。

「赤羽根星羅です。この学校に関しては知っていることも多いので分からないことがあったらいろいろ聞いて下さいね。」

「ねえ、赤羽根さんってあれだよね?理事長先生の一人娘っていう」「うん、どんな子なんだろ〜」

よく見ると、とても優れた容姿だ。艶のある黒髪のロングヘアーでとても穏やかな顔立ちをしている。

「さて、自己紹介も一通り終わりましたね。次はいきなりで悪いのですがこの学校ではランキング制度をとっていますので、そのための模擬戦をしていただきたいと思います。とはいえ全員とやっていては時間がかかりすぎてしまうので、1クラスごとに訓練用パペットと戦ってもらうことになります。しかし手を抜いたりしないように。理事長を含める多くの先生が見ているのでバレますよ。」

この新鋭高校はタクトの力を利用して悪事を働くテロリストなどに対抗する人間を育成するための学校だ。ランキング制度も力を高め合うために必要だろう。だがここで俺の力を見せて目立つのは嫌なんだがな。この学校の理事長は相当な実力者だと聞く。ここは真面目にやったほうがいいか? まあ仕方がないな。

「それでは移動しますよ。」

タクトを埋め込まれた人間はその能力の情報が頭に流れ込んでくる。だから問題はないのだが、まだタクトを組み込まれて1週間しかたっていない。慣れない人もいるだろうに、少し模擬戦が早すぎる気がする。何か考えでもあるのだろうか。

「それでは全員揃いましたね。あっ、私はこの1年生の学年主任の安間茂雄です。」

随分と年配の先生のようだ。この人はかなり強いな。気をつけなければ。

「えーではルールの説明をします。ルールは、制限時間内に我が校の訓練用パペットと戦い、ダメージを与えていくという簡単なものです。今回はパペットの方から攻撃してくるということはないので安心してください。ちなみに、武器に関しては自分の能力に合うと思うものを選んで下さい。なくてもいいですよ。それでは準備ができたら1組からやっていただきましょう。」

さて、準備をしよう。俺は今回武器は長剣を使うことにした。理由は俺は普段武器は銃を使うのだが、能力を見せたくない。そうなると銃では避けられる可能性があるからだ。付け加えると、武器の使用は1つまでというのもある。俺は武器の貸し出し場へ向かった。

「すいません。長剣をお願いします。」

「長剣ですね。どうぞ。」

木刀だった。これなら銃の方がマシかもしれない。

「ありがとうございます。」

俺は指定の位置に向かった。それにしてもなかなか広い部屋だ。教室ぐらいある広い部屋が他にも20室以上あるのか。すごいな。そんなことを考ええていると隅にあるスピーカーから声が聞こえてきた。

「それでは、はじめ。」

訓練用パペットが出てきた。訓練用パペットは大きさや形は人と似ているが目や鼻、口といったものがないため少し不気味だ。早速攻撃を仕掛けて見るか。まずは軽い突きを腰のあたりに繰り出して見る。パペットはギリギリのところで左に避けた。だが、そこからの切り上げは避けきれなかった。この一撃だけでパペットの頭部がなくなった。なんて弱さだ。少しやりすぎてしまったか?最初の突きが避けられたからなかなか強いのかと思ったがスピードだけだったようだ。もう少し手を抜くべきだったか・・・

そしてその30分後くらいに終了の放送が流れた。教室に再集合して学校の紹介などをして初日は終了した。

次の日、学年ランキングと総合ランキングが掲示されていた。総合ランキングというのは1年生から3年生までをまとめたランキングのことだ。ちなみに俺の順位は・・・

「学年ランキング1位!!しかも総合ランキング3位って・・・」

思わず口に出してしまった。これはかなり目立ってしまいそうだ。

「あなたが総合ランキング1位の羽島悠斗さんですね。いきなりで申し訳ないのですが、私と決闘をしませんか?」

そう言われて振り返ると、そこには俺のターゲットである赤羽根星羅がいた。

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