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〈6〉桜~たどり着いた場所~

立ち止まっていたのは

僕の方で

春はながれるように

鼻先まで近づいていて

戸惑っていたのは

僕の方で

春はなめらかに

つま先まで染み込んできて


濃く淡くこぼれる花びら

あの桜が咲くのを

待ちわびていたのは

きっと僕の方で

湿った幹に触れれば

吸い付くような生におののき

まるで

パチンと弾けた空

はじまりの青


たどり着いてしまった

そこは途方に暮れるばかりで

そこには成す術もなく

やわらかな日射しのぬるさに

溺れてしまいそうで


塞き止められることのない

春の最中

また咲きこぼれること


性懲りもなく傷ついてしまうことも

あの花びらが散ることも

同じ列に並べて

笑いたかった

笑い合いたかった

それでも

大丈夫、だと






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