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〈4〉シロツメクサ~百年の王国~
シロツメクサを集めて
花冠を拵えたなら
僕は王さま
君はお妃さま
すべての空は傅き
指先を鳴らせば
風は緑の絨毯を
たちまちに敷きつめて
百年の王国で
孤独を分かち合っても
同じ色には染まらない
眩しい程の頭上の白
見つめ合えばその寂しさに
散ってしまいそうだから
僕らは
交わらない視線を前へ
シロツメクサを集めて
花冠を拵えれば
僕は王さま
君はお妃さま
単純に交換したかった愛が
さやさやと揺れる
ポケットいっぱいのクローバー
持ち得る限りの幸運を
使い果たして
百年の王国で二人きり
ねぇ、僕ら
どんな温度であたため合いたかったんだろう
そっと覗き込んだ瞳に
泣き出しそうな僕の顔が
ゆらゆらと揺れる