黄金竜の少女
彼女は、父・・・黄金竜の遺伝子によって発現した金色の・・・鳥のような翼で舞い上がる。
「もう・・・これしかない!」
少女・・・
レイスト・リリル・ティアムルは、レイストの剣を構えた。
「やめろ!それは・・・「禁呪」だ!」
愛する少年・・・
フレッド・ティアムルが叫ぶ。
「裁きの吹雪!」
眼下の大魔王は、普通の手段では倒せない相手・・・
だから、法の女神・聖氷竜と裁きの女神・闇氷竜の力を借りた「相手の存在を凍結させ、粉みじんに砕く」術を使用したのだ。
しかし、この術・・・
「水」または、「氷」の属性がないと制御しきれず、自分が「生きたまま」氷柱に閉じ込められてしまう。
ゆえに「禁呪」なのだ。
かつて、キティルハルムの女王は、手向かう敵の軍勢「全てを」応用した術で封印してしまったと伝えられる。
「覇王氷竜剣!」
リリルは、剣に吹雪を集めて敵を斬る!
切り口が、凍りつき塵と化す。
この大魔王は、小規模ながら超魔王並みだ。
「僕が絶対に倒す!」
リリルは、叫ぶ。
そして・・・
ふっと微笑む。
「今は「暫定」でさよなら・・・」
大魔王は、粉微塵に砕けていく。
しかし、一方でリリルも氷に捕らわれていく。
風が吹き、リリルの髪を結んだ藍色のリボンが揺れる・・・
「リリルーっ!」
フレッドは、探した。
リリルを解放する術を・・・
歌が大好きな・・・
甘えん坊な・・・
それでいて、強い力を持つ少女・・・
「何が知りたい?」
猫の国・キティルハルムの王立図書館に奥・・・
人懐っこそうなメガネをかけた黒猫の司書女王に導かれ、深淵の図書館に辿りつく。
そこにいた司書神・カイロスはいう。
「君の恋人を捕えた力は、「法」と「裁き」の力。
では、法則として、正反対の力で何とかできる。」
「そうか・・・「愛」と「愛欲」・・・」
「ただ、人には言わないでね。キティルハルムのお隣の「封印」は、同じ力で解けるから。もっとも・・・あの人を小馬鹿にしたネズミは、気付いてしまうだろうけど。」
フリッドは、「あの場所」へ戻る・・・
即興で組み立てた呪文を唱える・・・
氷柱は溶け出し、リリルは解放される。
「ただいま・・・「旦那様」・・・」
「おかえり・・・僕の妻・・・」
そうして、二人は結ばれる・・・
ハイブリッド・ブレイバーズに続く・・・