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ペペロミア  作者: 桜桃
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2




今日はいよいよコンクール。





3日前、やっと仲直りした2人。



事後報告のために円の家への足を向かわせた。








*******




「ってか、知らない間に幼馴染カップルは本当のカップルになったのね。」


「うん。先輩が熱でたときがきっかけみたい。」


「なるほど。

てことは、独り身は沙耶1人なんだ。」


「もぉ、悲しいこと言わないで〜」


「あはは、ごめんごめん。

…でも、良かったんでしょ?あんた的には。」


「…うん。」


「ならいいの。後悔してないのなら。

その気持ちに嘘はないなら、スッキリしてんでしょ!今日は飲むよ〜!」


「えぇ、円すぐ酔うからなぁ。」


「私の家なんだからいいでしょ。

沙耶はなんかつまめるもん作って!

私はお酒買い足してくる!」




そう言って、円は家を出て。


私は適当には作って。






結局ベロベロに酔っぱらった円の介抱をしたのだ。








*********









というか、その次の日も酷かった。




3日前、ラブラブイチャコラし。


2日前、コンクール用に作った作品は全部没。

理由は気に入らないから。

ということで、徹夜の勢いでアトリエにこもった。



そして昨日、お昼頃に頰がこけていながらもスッキリとした表情で満面な笑みを浮かべた山風さんがアトリエから出てきた。








「結局、何が出来上がったのか見せてもらってないし。櫻ちゃんは?」


「それが、私もなんだよね。」




そう、山風さんはできあがった作品を誰一人にも見せず、作品を提出してしまったのだ。




等の本人は気にしてる素振りを見せず、


いつものようにリラックスというか…



リラックスしすぎなんじゃないか⁉︎


ってくらい寛いでいて、


フワフワと笑ってステージにあるパイプ椅子に座っていた。




「ステージの上には、たくさんの芸術家さんがいるのに、あんな風にできるなんて凄いですね。」


「単なるバカなんでしょ。コイツみたいに。」


「ちょっと和、人のことバカって言っちゃダメんなんだよ!」


「わかってるっての。

ってか何回言うんだよそれ。小学生か。」




目の前に広げられる夫婦漫才に


わたしと櫻さんは笑うしかなかった。






















ザワザワと会場がざわめき出し、



「キャーーーッ」



とまるでアイドルのコンサートのように悲鳴があがった。




理由はらわかってる。


藤谷楓。






ステージ上でフワフワ笑ってた山風さんも


藤谷楓をキツイ目で見ていた。










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