表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ペペロミア  作者: 桜桃
52/58

2 side櫻





「…はぁ。」



机に向かっても、なんの意欲もでない。




和ちゃんと沙耶ちゃんと飲んで、


頑張ろうって思った矢先


径くんには、わかりやすく避けられた。






もう、遅いのかな。


もう、仲直りできないのかな。



私なんて、いらなくなっちゃった?




別れる、のかな。

















ずっとずっと径くんのことが好きで。



側にいられればいい、なんで思ってたのに




径くんに告白されて、




ずっと一緒にいたいって思っちゃって。






径くんに愛されてるって、自惚れて。






自分でも知らないうちに甘えちゃってた。





だから、バチが当たったんだ。
















あんなすごい人、私には勿体なかったんだ。







無限のネガティヴループ。


















謝るから。


良い子になるから。


我儘なんて言わないし、


約束も2度と破らないから。



だから、だから…








































私を捨てないで。









































バンっ



「櫻!」


「…!け、」




径くん、と言おうとした私を


フワリと、でも力強く、


抱きしめる。













「径、くん?」


「…ごめん。」





ごめん、ってなに。



もう付き合えないって?


別れようって?






「や、だ…」


「櫻?」


「おね、がい…別れないで。

私が悪かったの。径くんとの約束破ってごめんなさい。径くん、ごめんなさい。」



ごめんなさい、ごめんなさいと連呼する私を


驚いたように見つめた。






「櫻。」


「ごめんなさい、ごめな…んっ」




唇に残る、暖かい感触。




「謝るのは俺のほうなの。

つまんない嫉妬で、櫻のこと避けて、

どんだけ小さい男だよって…本当にごめん!」




土下座をするような勢いで謝られた。


別れ、話じゃない?





「櫻がアイツのこと、嫌がってたの知ってたのに。

ちゃんと向き合えなかった。

どうして1人で行っちゃダメなのか、理由を言わなかった俺が悪いんだ。

…怖がらせて、ごめんな。」


「うっ…径くんっ…」


「俺がいるから…もう2度と、触れさせないから。」





ポンポンと頭を撫でられて


安心したのか、涙がボロボロと流れて


径くんの肩を濡らした。






「こわ、かた…どうしていいか、わかんなかった…」


「うん、うん。」


「径くん、大好きだよ…」


「…俺は、愛してるよ。」







…私も。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ