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ペペロミア  作者: 桜桃
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2



「どうして、そんなこと言うんですか?」


「ん?」


「私…山風さんに憧れて会社に入りました。

わからないことだらけだったし、大変だったけど…楽しくできたのは、皆さんがいたからなんです。

ほのぼのした雰囲気が大好きなんです。」





櫻さんといちゃつく姿を見るのは


とてつもなく辛いけど…




でも、それよりも今の雰囲気が辛くて仕方ないんだ。








「だから、早く仲直りして欲しいです。

岩崎さんも宮野先輩も、心配してますよ。」


「…うん。」


「じゃないと、取り返しのつかないことになることもありますから…」





なんて、私が言える立場じゃないんだけど。




しょほくれた山風さんを見るくらいなら



痛む胸も気にならない。























「ね、沙耶ちゃん。」


「?はい、」


「ありがと。」


「え?」







山風さんは、ありがとうと私につぶやく。




その意味はわからなかったけど、

少し安心した。







山風さんと別れて


喧嘩中の円の家に押しかけた。




*********


「円、こめんね…」


「沙耶…私の方こそゴメン。」


「ううん…私、円に怒られること、またやっちゃったから。」


「怒られること?」


「そう。」







とりあえず家の中に入って、


ポツリ、ポツリと


言葉が口からこぼれ出る。





「今日ね、先輩が熱出して…岩崎さんが早めに帰って。櫻さんと山風さんが最近よそよそしくて。

それで、飲みに誘ったの。山風さんを。

2人っきりで飲んだの、さっき。」


「おぉ!」


「…でもね、私…なんにもできなかった。」





円の目は見れなくて。


私の視線はずっと、自分の膝。







「山風さん、物凄く落ち込んでて。

理由はわからないけど、櫻さんがいなくて

生気が失われてる、みたいな…

本当だったら、漬け込むところなんだと思うけど…

私、できなかった…

できなかったや…ははっ私、バカだよね…」




「本当にバカ…」と涙まであふれた。








「沙耶。」


「…。」


「私は沙耶が大好きだよ。」


「円。」


「ごめんね、私が沙耶のこと考えずにアレコレ言ったから、沙耶…パンクしちゃったよね?」




そんなことない。


円がいて、物凄く助かってる。





「沙耶。思ったようにしな。

後悔しないように。沙耶が一番傷つかない方法を自分で選んで?

沙耶が選んだ答えなら、それは絶対に間違ってない選択だから。」


「円…」


「大丈夫。きっといい方向になるよ。」


「うんっ」

















ありがとう、大好きだよ。






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