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ペペロミア  作者: 桜桃
35/58

3





ガチャ




「お、和!」


「あら珍しい。溜くんが先に起きてるなんて。」


「なにお〜俺だって本気出せばこんなもんよ!」






中学2年生。


溜くんはバスケ部に。


私は女子バスケ部に入った。





たまにコートが半面ずつで使うんだけど、


目が合う度に全力で両手を振ってきて


顧問の先生に頭を叩かれてた。





「朝練は?」


「この間試合終わったからね〜暫くはないって!

和は?」


「あたしたちのところは元々そんなに朝練ないから。」


「そっか。」




登校は、溜くんに朝練がなければ一緒に。


帰りは同じ時間になれば一緒に。




小学校とは変わらず、私たちは一緒にいた。






クラスは、離れちゃったけど。









「じゃ、和!」


「バカ丸出しにしないように。」


「そんなことしません!」


「どーだか。」





悪態をついて、自分のクラスに向かう。



ピーピーしてる溜くんはほっとく。





心がちょっとだけ、ポカポカしてる。













「和!」


「なに、どーしたの。」


「数学忘れた!」


「全部?」


「全部!」



へらっと笑う。




「ったく、あんた学校になにしに来てんのよ。」


「ん〜」


「真剣に考えなくていいわ。

はい、じゃあうちら数学もう終わったからいつでも返しに来ていいからね。」


「わかった!じゃあお昼の時に!」


「はいよ。」





溜くんの家は、洋菓子屋さん。

両親ともに大忙しだ。



そのせいか、板前の父親と栄養士で料理教室まで開いているうちの母親に頼ってきた。



うちの母親は喜んで引き受けて、


お昼になったら私が溜くんにお弁当を渡すことに。



ただ単に、朝渡すのが面倒なだけだけど。













「いいなぁ、和。」



席に着くと、友達が群がってきた。




「なにが?」


「岩崎くんと仲良くて!」


「ただの幼馴染だけどね。」


「それが羨ましいの!」


「なんで羨ましいの?」


「和知らないの?岩崎くん、すごいモテるんだよ?」


「あのバカが?」


「確かに頭はそんなよくないけどさ、」


「長身だし。」


「手足長いし。」


「スタイルいいし」


「顔もいいし。」


「運動もできるし!」





小学校6年生までは同じような身長で小柄だった溜くんは、みるみるうちに私よりも大きくなった。


168センチだっけ。


14センチ差だ。



私も一応バスケしてるんだけどな。








「結構、岩崎くん狙ってる子多いんだよ?」


「そなの?」


「そうそう!最近告られてる頻度も多いみたいだしね〜」


「へー」






なぜが、


ズキズキした。














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