34/58
2
「それでは、後期の委員会を決めたいと思います。」
委員長が前に出て黒板に各委員会の名前を書いていく。
「和はなににする?」
隣の席の溜くんがキラキラした目で話しかけてきた。
「うーん、楽なのがいいな…溜くんは?」
「俺?俺はね〜給食!余ったの食べられるから!」
じつに溜くんらしい。
「迷ってるならさ、一緒にやろうよ!給食委員!」
「え〜」
「同じ当番にしてもらったらいいじゃんか!」
「いや、園芸委員のほうが楽そうだからそれやる。」
そう言うと、溜くんはシュンとしてしまった。
「じゃあ、俺も園芸委員やる。」
「は?」
「だって、和と一緒がいいもん。」
「一緒がいいって…」
給食委員、やりたいくせに。
…仕方ないなぁ。
「私も給食やるから。」
「え!?」
「その代わり、一緒の当番で溜くんが仕事してよ?」
「うんうん!俺が和の分まで余った給食食べてあげる!」
「いや、給食委員のしごとそれだけじゃないから。」
…ま、いっか。
ヤッターヤッターって喜んでる溜くん。
それだけで、給食委員にしてよかったかな。
「溜!静かにしろ!」
「はぁい。」
ったく、先生に怒られてやんの。




