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「…はぁ。」
「あら、どうかしたの?」
「え?あ、はい…ちょっと。」
「どうしたの?友達と喧嘩でもした?」
先輩からの痛いお言葉。
この場に岩崎さんがいなかったのは幸いかも。
「あ、はい…実はそうなんです。」
「あらあら。」
「私が悪いこともわかってるんです。
うじうじしてるから…」
「なるほどね〜…私もきっぱりしたほうだけど…
でも、あんまりうじうじしてると、大切なものを失う時もあるから、気をつけなよ?」
「え?」
なんだか、経験していたかのような口ぶり。
「私もね〜踏み出さなくて…ズルズルしてるから。」
「もしかして…岩崎さんのことですか?」
「え⁉︎」
一気に耳が赤くなる。
照れたり、動揺してるときに耳が赤くなるのが先輩の大きな特徴だ。
「な、なんで⁉︎」
「なんとなくです。」
「う、うーん、そっか、うん。そっか。」
先輩は小さく深呼吸をして、お茶を飲んだ。
「私ね、溜くんが好きなの。小いときから、ずっと…」
まさか、恥ずかしがり屋の先輩が
すんなり言うなんて思わなかった。
「あるとき、告白できそうな雰囲気のときがあって…でも、言えなくて…それからずっと。」
「先輩…」
「これから言えるかわからないんだけどね。」
悲しそうに笑う。
うじうじ して
ズルズル して
そんなこと、ダメだってわかってるのに
大馬鹿野郎で
ド阿呆だ。
だけどね、先輩。
岩崎さんも同じ気持ちなんですよ。
だけど、これは私が言っちゃいけないと思うから。
だから言いません。
きっと、2人は結ばれるから。
暫く、うじうじ、ズルズル。
付き合ってください。




