馬鹿、阿保。
卒業して3ヶ月。
とある企業に受付嬢として働いている円とは会うのは、今日が初めてだ。
オシャレなカフェでお茶をしながら近況を話す。
っといっても、ほとんど私の話なんだけど。
「なんかあったのかなぁ、って…
あんたね、敵の心配してどうすんのよ!」
「て、敵って…櫻さん、悪い人じゃないし。」
「あのねぇ、そんなことばっかり言ってたら、
いつまでたっても結婚どころか彼氏すらできないよ!」
…ごもっともです。
だけど、ギクシャクしてる2人の間を
割って入るほど、私は強くない。
「でも、どうしたのかね。」
「うん。岩崎さんも先輩も気になってるみたいだけど、当て触りない感じでさ…
戸惑ってる。あんな雰囲気初めてだから。」
「ここはさ、ドバーンッて沙耶が聞いてみたら⁇」
「えっ、や、やだよ!できない!」
「えーだってさ、ここで櫻さんの浮気とかだったら沙耶にも勝てるかもじゃん?」
もー円はなんで
いつもそうなるかな。
「そりゃ決まってるじゃない。
目的はただ一つ、山風径をモノにすることでしょ!」
どうやら私の心の声は外に漏れていたらしい。
「モノに…って言ってもさ…」
「じゃあこのままでいいの?
胸が痛んでも気にもならないってわけ?」
「それは嫌だけど…でも…」
「…沙耶はどうしたいの?」
「え?」
「でもでも…沙耶ってば、さっきからずっとそうだよ!」
「……。」
「〜〜〜もうっ沙耶なんか知らない!」
怒った円は、千円札をおいて居なくなった。
冷めたコーヒーには、
不細工な顔した私が映ってた。