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ガチャ
「こんにちわー」
「こんにちわ〜早かったね、沙耶ちゃん。」
「急遽午前で終わることになったので。」
「そかそか。お昼は?食べた?」
「あ、軽くパンつまんできました。」
私がそういうと、先輩は携帯を取り出す。
「もっと食べなきゃ!
今溜くんが買ってきてくれるから。
もうちょっとお腹にいれな、ね?」
「は、はい。」
「あ、もしもし溜くん?お弁当もう一つ追加で。
え?もう帰ってる途中?じゃあ戻って戻って。
体力はいくらでも有り余ってるでしょ?
あんた無駄に体力だけはあるんだから。
…あーもうつべこべ言わずにバック!じゃ、よろしくね。」
先輩、強い…。
「じゃあ、お昼がくるまでちょこっと仕事しちゃおうか。」
「は、はい!」
「今日はね、ここに書いてある文章を沙耶ちゃんなりにまとめてほしいの。」
「これを、ですか?」
A4の紙にびっしりと書かれた文章。
それを見やすく、わかりやすくまとめてほしいらしい。
「わかりました、やります!」
「うん、じゃあよろしくね!」
「はい!」
自分用のデスクに置いてあるパソコンを開く。
隣の先輩も、眼鏡をかけて完全仕事モード。
子犬みたいで可愛らしい先輩だけど、
仕事モードの先輩はめちゃくちゃカッコいい。
今日は聞きたいことがたくさんあったけど、
まずは仕事!
卒業まで期間、研修員みたいに働いてるけど
卒業したら、私は一社員だから。
頑張って覚えないと。
卒業した私の強みは、
名門大学のため、忙しくてあまり会社に来られない櫻さんよりも
山風さんと一緒にいられることだから。




