出会いは
「んで、のこのこ帰ったの⁉︎」
「のこのこって…とりあえず、今日は会社に行く日。2回目です。」
「はぁ…私だったら、とりあえず色仕掛けでくっつけどなぁ。」
「そ、そんなことできるわけないでしょ!」
「女の武器、胸でもすり寄せちゃえば男なんて大半はコロンといくわよ。」
そんなわけあるか。
「ま、沙耶の寂しい胸じゃ無理か。」
「余計なお世話。
大体、櫻さんのほうが大きいから誰が来ても眼中にないと思う。」
「え、秘書さん。そんなナイスバデーなの?」
「ナイスバデーって…まあ、多分。」
一回目の時も、最初会ったときも緩やかなワンピースにカーディガンとかで、
体型がよくわからなかったからよくわからなかったけど、
一回目のとき、岩崎さんがグラビア写真集を片手に先輩をからかってて、
そんなとき櫻さんが事務所にきた。
「なにしてるの?」
「あ、櫻ちゃん、コイツ仕事に関係ないものもってます!クビにしよう、クビ!」
「もう、嫉妬しないの、和。
小さくても和は十分かわいいよっ!」
「うるせー!フォローになってないんだよ!」
「もぉ、なにも櫻ちゃんくらいあればいいねなんて言ってないじゃーん。」
岩崎さんの言葉で、櫻さんが真っ赤になってグラビア写真集をビリビリに引き裂いた。
「…なんてことがあったから、多分大きいと思う。」
「なるほどね〜体でも負けるか。」
グサッ
「そういや、その先輩と岩崎さんは付き合ってるわけ?」
「私もそう思ったんだけど、本人曰く違うみたい。
まぁ、櫻さんはニヤニヤしてたから両思いっぽいけど。」
「なるほどね〜」
円はストローで氷をくるくると回す。
「でもさ、その秘書さん、櫻さんは名門女子大学の超お嬢様。才色兼備の彼女は何で不安定な芸術家の元に働くんだろうね?
あそこだったら、アナウンサー、キャスター、大学教授、市議会議員…とかになる人が多いイメージだけど。」
「まあね…」
「いくら山風さんと付き合ってるって言ってもさ、
てか、いつ知り合ったんだろうね。」
「確かに。あの大学に入るんだったら、それなりの高校に入ってただろうし…
申し訳ないけど、山風さんがそこまで頭良さそうにも思えないし。」
本当、どこで知り合ったんだろう。
「謎だらけだね。」
「うん。」
知りたい。
でも、傷つきたくない。
2つの感情が交差する。
私に少しでも望みはあるんだろうか。




